始まりの鐘 ページ4
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2016年、秋。
「Aちゃん、ちょっといいかな？」
『はい！ 何でしょう？』
ネタ会議の後、マネージャーさんが手にいくつかの資料を持って近づいてきた。
「実はね、Aちゃんに大仕事が入ってきたの」
『大仕事？』
そのワードに誘われて、そばで聞いていたメンバーも耳を傾ける。
「虫眼鏡ととしみつは羨ましいかもしれないね。ひょっとしたらりょうも……」
『どんな仕事です？』
「あのね、今度東海ローカルの朝の情報番組で日本ハムの特集を組むんだって」
この前日本一になったプロ野球の日本ハムだよ、と付け加えられる。
「選手にインタビューするんだけど、そのインタビュアーとしてAちゃんが抜擢されたの！」
『ええ！？』
「プロデューサーさんが東海オンエアの動画を見てくださってたみたいでね、Aちゃんの初対面の人とすぐに打ち解ける力を貸してほしいとのことでした！」
確かに人見知りはしない。割と初対面の人とも話せる方だと思う。でもそこをお偉いさんに見られていたとも思わず、つい呆然としてしまった。
『私ドラゴンズファンだけど……、日本ハムに行っちゃっていいんですかね……？』
私はドラゴンズ、特に堂上直倫選手を応援しています、と公言してきた。シーズン中は必ずナゴヤドームに行くし、堂上さんが身につけた歴代背番号ユニフォームも漏れなく買い揃えた。
1つ間違えれば魂を売るような行為に繋がりかねないわけで……
「いいんじゃない？」
『適当か！』
思わずつっこんじゃったよ。マネージャーさんは持っていた資料をテーブルの上に置き、
「ここに日程が書いてあるから見ておいてね！」
そう言って玄関の方へ歩いて行った。
元々欠席の柴田とゆめさん以外のメンバーが取り残される。今いるメンバーだと、てっちゃん以外は皆野球が好きで一緒にテレビ観戦もする。
好きな物は仕事に直結する。
その重みを実感した私達は4人で顔を見合わせた。
「お前すごっ！」
『心臓バクバクしてる……』
高ぶる気持ちを抑えながらゼムクリップ止めされた資料に目を通せば、2週間後に札幌に出向くらしい。
「とりあえずお土産はチーズケーキとキャラメルをよろしく！」
『いやお仕事なんだって！』
野球をあまり見ないてっちゃんは編集しながらそんなことを叫んだ。
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あおやなぎ(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます(^^) これからじゃんじゃん進めていくので楽しみにしていてください〜！ (2019年9月1日 23時) (
レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - うおっ、最強！更新頑張ってください！お気に入りに入れます！ (2019年9月1日 22時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年8月29日 22時
