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「本当に辞めるの？ 配信はしたけどまだやり直しは効くよ？」
配信が終わるやいなや、しばゆーが寂しそうにそう言う。
『私の考えは変わらんかな』
静かなリビングにそうか、と気落ちした声が響く。驚くほどに穏やかで、憎いほどに美しい。俺達はAの女性としての魅力を何1つ引き出せなかった。
"事実は小説よりも奇なり"
6人も男がいて、そのうち4人は彼女がいない。メンバーやYouTuber仲間、ファンや事務所の誰もがAをかっさらうのはメンバーの誰かと思っていたけど、実際は全く持って予想外の人間だった。
「まじで何で西川さんはAだったんだろうね」
「プロ野球選手だったら女選び放題なのにね。イケメンだし。わざわざAちゃんを選ぶんだから物好きだと思う」
『ゆめさんも虫けらも失礼！』
「そっちこそ虫けらはやめろ！」
俊足が自慢のプロ野球選手。虫さんやAと同学年で高校野球の頃から彼を知る人も多いだろう。
プロに入ってからは3回も盗塁王となった。悔しいけどかっこよすぎる。
Aの夫となる人は俺達からAを盗んでしまった。
「……もしAが30になるまで処女抜け出せんかったら俺がもらってやろうと思っとったのに」
『としくんはいつまで処女キャラ引きずるん？
てか上から目線はひどい！』
そう言いつつも楽しそうに笑うA。俺とてつや以外はいつものテンションに戻っている。
俺はその笑顔を自分のものにしたかった。ずっと一緒だったじゃん。事務所も公認の仲だったじゃん……
どうして俺らから離れちゃうんだよ……
どうして、東海オンエア以外の男を愛したんだよ……
「うぅ……、A〜！！！
やっぱり岡崎に残れんか……！？」
本当は泣きたくて仕方がない。てつやみたいにブスになってもいいから、顔をぐっちゃぐちゃにして思いっきり泣き叫びたい。
『ごめんね。残れないかな』
私は遥輝と一緒に生きる。あまりにも決意に充ちていた。
「……っ」
『えっ、りょうくん？』
遂に堪えていたものが流れ出てしまった。てつやはキョトンとしているし、他のやつらもえっ、と戸惑いを隠しきれていない。
……やっぱり辞めないでよ。俺達とバカやって、好きなことをして生きていこうよ。
「ごめん、ちょっと顔洗ってくる……」
この願いはもう、一生届かない。
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あおやなぎ(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます(^^) これからじゃんじゃん進めていくので楽しみにしていてください〜！ (2019年9月1日 23時) (
レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
はるちゅん(プロフ) - うおっ、最強！更新頑張ってください！お気に入りに入れます！ (2019年9月1日 22時) (レス) id: 3445983938 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年8月29日 22時
