Dream and reality (ページ12)

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10王者ページ12

元より歌唱力に定評のあるJUMPの2人
薮も十分に上手いが、山田だって負けてはいない

ただ…この世界は俺たちの知る世界とは違う
この世界の薮はYa－Ya－yahとしてJr時代からずっとセンターとして歌い続けてる
その歌唱力は未知数だ

『それでは2人とも同時にカードを選んでください』

声と共に2人がカードを掴み箱から出す

「あっ」

『Hey! Say! JUMP山田涼介はKinKi Kids『愛のかたまり』対してYa－Ya－yah薮宏太はHey! Say! JUMP『Give Me love』これは面白くなりました』

山田はファンであり、コンサートでも披露してる先輩KinKiで1番の得意曲、対して薮は…JUMPの曲。
けどこの世界の薮にとってみれば歌い慣れてない曲だ
複雑な気持ちにはなるけど勝機が僅かに見えた

「山ちゃんこれはいけるかも」

圭人も同じ事を考えてる様だった

曲覚えの為山田がこちらに歩いてきて本人も手応えを感じてる様だった

数分後、先行は山田でステージに向かう
照明がフッと消えスポットに切り変わればそこにはJUMP不動のセンターでありエースの山田の姿
負けず嫌いの性格が火をつけられた事もあってか俺たちでさえゾクリとする歌は会場全体を包み込む

『圧巻の歌を聴かせました!!Hey! Say! JUMP山田涼介の点数は98点更に会場点17点トータル115点!!
これは高得点です!!』

130満点に対して115点点…
ファン同士ライバル視しているだけあって早々に点数が貰えないのか…それとも……

『では後攻Ya－Ya－yah薮宏太『Give Me love』です』

薮がステージに立ち再び暗転
そしてスポットが当たる

聴きなれたイントロ
視線の先の薮がフッと俺たちを見た
それは一瞬だったのに背筋がゾクリの凍る様な
そして正面に向き直し発せられた音に再びゾクリとして動けなかった

Ya－Ya－yahファンからあの山田の歌が2点しか取れなかった訳
それはやはりファン同士の醜いライバル視なんて問題ではなかった
Ya－Ya－yahの歌を日頃聴いている
だから山田に点数を入れなかった
つまりは、Ya－Ya－yahの歌が…そう
今の俺たちの様に…言葉にし難い感情