The hole (ページ3)

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存在(yb+ym) ページ3

少年は、その後も毎日店に来て
同じ時間、同じ席、同じナポリタン
警告さえなったのに、
席に運ぶ度に数言会話をする様になった
警告だと思ったザワりが少しずつ
形を変えていく

それは『彼を知りたい』そんな欲望

少年と会ってから2週間
伊野尾からの呼ばれる事は1度もなかった

知りすぎた体はいつの間にか
熱を持ち、体を重ねたいと
そんな欲を1人何度も吐き出した
伊野尾の顔、声、仕草
肌の温もりを感じていたのに、
いつの間にかそこには『彼』がいた

『やぶ、さん』

そう呼ばれ熱くなる自分に
知った事もない感情
溢れる涙
その理由は、わからなかった

「お、今日も来てるねー薮くんのファン」

店長がナポリタンを出すとき俺にそういった

「いや、ファンって…」

謙遜を返すと
『だって薮くん休みの時来ないから』
と店長が笑っていた

「お待たせ、いつもの」

そう差し出すと彼は変わらず俺を見ていた

「ナポリタン、飽きない?」

2週間以上ナポリタンを食べ続けている
そんなに好きなのだろうか?と疑問が沸いた

「やぶさんが、言ったんだよ?
オススメはナポリタンだって…」

そう返され、そんな事言ったか?と思いを巡らせるが一向に記憶にない

「あれ?言ったっけ?そんなこと」

俺が返すと少年は笑いながら「はい」と返した