短編集

/Ya-Ya-yah×yb ページ5

sideーhikaru

「あーっくっそ!!休めってんだろ!!」

楽屋に響く俺の声
目の前には明らかに苛立ちながらも無視を決め込むチーム頼れる最年長、もとい
今は頑固で子供の様に意地を張りまくるチーム1手に負えない薮宏太

「言っとくけどな、後30分したらマジでお前倒れるからな」

この楽屋に居るのは俺たち2人
他のメンバーは30分後の集合でまだ来ておらず、俺たち2人は打ち合わせの為1時間早めの集合
今は軽く休憩中な訳で…
JUMP結成1年目
2人してチームを引っ張っていく様にと言われ慣れないながらも走ってきた1年ではあるが、
互いに少々の無茶は承知ではある
あるが、これは別物

打ち合わせの為早めに合流したが、本日薮宏太は絶賛大不調で、メンバー合流後には厳しいコンサートのダンスレッスンを控えている
その絶賛大不調である本人は休憩に入った5分前から再三に渡り俺の話を無視し続けている
チームを託された俺たちではあるが、いち早く学生を卒業した薮の責任感は更に高まり、
1人大人になったかの様にピリピリとした空気を時折纏う

「やーぶ、お前マジ無理やり寝かしつけんぞ!!」

無視し続ける俺の言葉を総無視
いい加減に口が悪くもなる
しかもこの意地っ張りは無自覚で、ぶっ倒れるまで自分の不調を『放っておけば治る』なんて安易に考えている訳で…
昔っから何度ぶっ倒れた所を見てきたか

長い付き合いになるが、こうなった薮がテコでも動かないのはわかってはいるが、今日は別だ
薮のこういう面をメンバーは知らない訳で、
メンバーが来てしまえば『最年長のお兄さん』である薮は絶対に不調を見せない訳で
流石と言うべきか、相変わらずと言うべきか
完璧に振舞ってしまう
結果どうなるかって?そんな事はわかり切っていて病院送りに勿論なる訳で、
その度にベコベコに凹んで責任感を感じてメンタル病むわけで、今の薮には絶対危険だ
絶賛大不調なのは言えば風邪やらそんなのではなく目の下に出来た濃い隈ややつれた顔を見る限り相当精神的にいっぱいいっぱいになっている様で、考えるに睡眠不足と飯を食っていない感が半端ない

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