ヒロインは絶対に私じゃない(確信)【ヒロアカ】 (ページ24)

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第22話ページ24

あのコスチュームを思い、苦笑いを浮かべていると、彼の顔半分を覆う氷に気がつく。

『氷……轟くんの”個性”？』

「正確には“半冷半燃”だ」

『へぇ……なんかすごいね。ヒーローっぽいや』

私の言葉に返事はなかった。
特に気にも留めず、彼はクールだからと適当に考えていた。
くじを引くために揃って向かえば、オールマイトが白い歯を見せた。

「さぁて、残りは君たち２人だが！どちらかがハズレくじとなっているぞ！」

『ハズレ？』

「このクラスは21人なので、２人ペアを作る上で残念ながら1人は必ず余ってしまう！そこでハズレくじ、すなわち“ヴィランの大玉”なんてのを入れようかなって！」

『えー……』

元気なオールマイトの声に反して、私のテンションはダダ下がりした。
私は知っている。こうゆう運試しにどれだけ自分が弱いかを。

くじは先に私が引いた。
結果、２分の１で敗北だった。

予想通り、といえばそうなのだが。
意気込んで引いた分ショックを隠しきれなかった。
当たりを引いた轟くんは男子と組むらしい。

「わりぃ」

『あはは～』

彼に気を遣わせてしまったかもしれないのになんだが、こんなゲストな役は君にうってつけだよ。なんなら今からでも譲るんだが。
私はとんだ大役を買わされたらしい。本当に不遇。
ため息が人知れずこぼれた。

・

「ヴィランの大玉は勿論ヒーローの捕獲対象となる。ヒーローに捕まえられたらそこでヒーローチームの勝ちとなるぞ！ちなみに、君は全マッチに参加だ！少々キツイかもしれないが、ガンバレ！」

オールマイトの言葉が何度も頭の中でリピートされていた。要するに、緊張している。
いやそれ以上に、この惨状に胃が痛む。

「足ひっぱんじゃねえぞカス」

「人に対してその呼び方は失礼だぞキミ！」

「アァ!? 俺に指図すんじゃねぇメガネ！」

『……はは』

最悪すぎるメンツに心が泣いています。本気で泣きたい。
しかも対戦チームにはよりにもよって緑谷くんがいる。１ミリも平和に終われる気がしない。

「Aちゃん！えっと、あの」
『頑張って勝って……』
「えっ!?」

もう今日が命日なんだろうか。

現在私３階をウロウロしている。
核のある最上階に行かせないようにヒーローを足止めをする役目だ。一体どうすればいいのやら…。

「それではAチーム対Dチームによる屋内対人戦闘訓練、スタート！」

考える間もなく、訓練は早々に開始された。