勝利の女神と青い監獄【ブルーロック】 (ページ23)

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千切「あー、なるほどね。だからあそこにいたって訳か。」

『あ…あの…』

千切「？何だよ」

『すみません…』

千切「はぁ…どこから聴いてた、」

『右膝前十字靭帯断裂ってところからです…』

千切「はぁ…じゃあもう分かったろ。俺は諦めるためにここ(青い監獄)へ来たんだ。だからもう俺に構うな。」

『千切さ…「豹馬でいい」豹馬、私にも分かるよ。その気持ち。』

千切「は？」

『私も怪我をしたんだ。半月板損傷…本来治る怪我らしいけど私のは重くて治らないんだって。手術をしても無理らしい。だから、

私はサッカーを辞めたんだ。

悔しかった。もっと戦場(フィールド)を駆け巡りたかった。』

千切「…」

千切豹馬は思った。

こいつは俺と同じなんだと。仲間なんだと。

千切「晴香…お前、俺と同じだったんだな。」

『…違うよ。』

千切「え？」

『私はもう、サッカーをしてた私を自分で殺しちゃったんだ。』

は？だって俺はここに夢を諦めるために来たんだぞ？
どこがお前と違うって言うんだよ。

『でも、豹馬はまだ生きてる。鎖で繋がれてるだけなんだよ。だから諦めないで。私の分も…ｯ頑張って。』

…心が揺れる。どこか懐かしい感じだ。
こいつといればもしかしたら俺の本当の姿が取り戻せるんじゃないか。

千切「晴香…！」

『大丈夫。ちゃんと、豹馬がサッカーを続けるなら、私は何度だって豹馬を支えるよ。だから安心して

鎖を壊してね』

千切「あぁ…」

はぁ…あと少しこいつ((主人公))と会えていたら、俺の人生はどうなっていただろう。

ギュッ

千切「！？！？///」

『泣かないで…ちゃんと支えるよ。』

は、泣いてる？そう思い頬に手を当てると手が微かに濡れる。

あぁ…何か落ち着く。

『よし！何か暗い雰囲気になっちゃったし、あ！丁度よかった！これ良かったら食べて！！』

そう言い、目の前に並べられたのは大量のスワンシュークリームと、フィナンシェ。

『試作品で沢山作っちゃって…良かったら少し食べて行って！！』

千切「ぷはっ…お前量考えて作れよ(笑)」

『う、ごめん。つい作りすぎちゃって…』

千切「まぁいいよ(笑)」

そう言って豹馬が口にスワンシュークリームを詰め込んだ。