目が覚めたら、太宰さんの妻ってどゆこと？！

15.うつくしき人は寂として石像の如く一 ページ17

目が覚めたら薄暗い部屋って、どうゆうことなんでしょうか。

私はたしか、ポートマフィアに向かってたはずなんですが。

しかも、椅子に手足拘束されてますし。

窓もなにもなく在るのは鉄の扉がひとつ。

あれ、私目が覚めたら別の場所にいるとかなりのデジャブなんですが。

しかも、今回はなにやら血生臭いです。

これ、かなりピンチってやつでしょうか？

思考に浸っていると、固く閉ざされていた扉が嫌な音を立てながら開きました。

そこには、あの、僕くんがいるではないですか！

機嫌悪そうだね？！

なんで？！

もしかして太宰さんと会話した後とかですか？！

混乱してると、しゅっと、音がたつとともに、首にすごい衝撃が。

「ぐっ！」

僕君の僕君の仕業ですね！


言い方が、誤解されやすい言い回しのなのは敢えてです。

「貴様が太宰さんの奥方か」


いや。あの、僕きゅん。この状態では話すことでないですよ？

ぺしぺしと僕君の僕君こと、羅生門を軽く叩くと拘束が緩みました。

「けほっ、ええはい。あの人の妻をやってます、美知子といいます。お見知りおきを」

何食わぬ顔でいってやりますと、僕君は更に機嫌がわるくなりました。なんでー。


「夫婦とは似るものなのか」

「え、やだー......あ」

つい本音がポロリと。

僕君も一瞬固まっちゃったじゃないですか。

き、軌道修正しなくては！

「貴方の名は確か芥川でしたっけ。治さんからはよく聞いております。なんでもあの治さんが教育に苦労されたのだとか」

「貴様！」

羅生門が、私を傷つけようとしたときでした。

淡い桜色の花弁のような光がそれを阻みました。

「これは......」

「これが貴様の異能力か。夫婦そろってにたような異能力とはな」

あぁ、これが私の異能力......『春の盗賊』。

僕君のお陰で本能で私の異能力が何なのか理解できました。

挑発作戦大成功です。

「いえ、治さんと全く違いますよ。私の異能力『春の盗賊』はありとあらゆる物事・事象を奪う能力。つまり、貴方の攻撃を私は先ほど奪いなかったことにしたのです」


あなたの悪食とにていますね？ と微笑みかけます。

「貴方のそれとは使い勝手はいいですが」

そう言うと再び羅生門が襲います。

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