*＊gioventu＊*【ｲﾅｽﾞﾏｲﾚﾌﾞﾝ短編集】 (ページ34)

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#風丸一郎太(倉間典有様リク) ページ34

リクエストありがとうございます

何だろう。江戸時代とか明治の初期とか、そんな感じの時期

要するにパロっぽいやつです(語彙力の無さ)

*

まだまだ朝夕の寒暖差が大きい初夏の夜、その少女は冷たい地面に蹲っていた

彼女が身に纏っているのはボロボロの着物のみで、足には何も履いておらず、汚れた傷だらけの足はとても痛々しい

彼女はもうずっとそのままで居る。何時から其処に居るのか。一体、彼女は何処からやって来たのか

そのことを知る人物。それは残念ながらこの薄情な町には存在しない

そんな謎めいた彼女に近付き、触れるのはこれもまた薄情な、乾いた冷たい風ぐらいだ

そして、その風は少女の淋しさを余計に掻き立て、彼女の孤独さを一層際立たせた

───苦しい。もう、生きていたくなんてない...

そんなところまで思考が回ってしまっていた、その時

｢...君、大丈夫か？｣

凛とした声が其処に響いた

うっすら瞼を開くと、目の前に居たのは少女に吹き付ける乾いた風とは違う、凛とした蒼き疾風の如き青年

どうやら、彼が今の声の持ち主らしいと少女は判断した

誰にも自分に関わって欲しくなかった少女は、その声を無視した

もはや少女の中に助けを求める希望はなかったのだ

にも関わらず、青年は尚少女を気にかけた

｢ねぇ、君｣

そう言いながら肩を揺さぶって来たのだ

流石に少女にもそれには耐えかねた

『......何？』

｢良かった、生きていた｣

『...お願いです。もう、放っておいて』

安堵する青年に対し、少女はあくまで素っ気なく接する

『私は...死にたい』

｢...！...駄目だ、そんなの！｣

『私に指図する権利は...貴方には、無いわ
そして、私に干渉する理由も...』

そこまで言ってから、少女は失敗したと、癖である唇を噛む───

───ことすら出来なかった

一気に喋り過ぎてしまったのだ

元から精神的にも肉体的にも限界に至っていた少女にとって、こんなに長く喋ることは苦痛でしかなかった

頭の奥がチカチカと点滅し、意識がボンヤリと蜻蛉のように揺らぎ出す

───あ...これで、私、やっと死ねるのかな...

最後に、そんな淡い期待を抱いて、少女は意識を手放した