*＊gioventu＊*【ｲﾅｽﾞﾏｲﾚﾌﾞﾝ短編集】 (ページ22)

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#黒裂真命ページ22

『おはようです、センパイ！』

黒裂「あぁ、おはよう」

『今日もご一緒させて頂くッス！』

そして俺はまた彼女とともに登校する

最早日常と化してきた、いつもの光景だ

『ｱｯセンパイ。いきなりですが自分、転校する事になりそうッス』

黒裂「は!?」

『いや何か～、自分、聖堂山に通う為に殆ど家出同然で此処の近所に住んでる叔母さんチに来たんスよね。そしたら親がそれを嗅ぎつけたみたいで』

黒裂「...はぁ」

『んで、帰って来いって言われちゃいました』

Aちゃんはヘヘッと笑いながら言ったけど、決して面白い話ではないと思う

ていうか、笑い事ですらない

俺は彼女に惚れてしまったのだ。今離れてしまうなんて、辛過ぎる

───距離が離れても、心の距離を保つ為にはやはりこの想いを伝えるしかないのだろうか

『ｱｯあとですね、センパイ』

黒裂「ｱｯうん。何？」

『自分、センパイの事好きです。恋愛的に』

暫く理解が追いつかなかった

そしてその言葉の意味をゆっくり噛み締めて───

黒裂「───えええっ!?」

『理解遅っ！』

え、いや、だって...

ほら、まさかそんな事が有るなんて思ってもみなかったし......

『いや、無理に付き合って下さいとか言いませんよ？ただ、伝えたかっただけなんス』

"忘れて貰って構いません"そう呟くとAちゃんははにかむように笑った

───あぁもう！本当に君は可愛過ぎるよ

全く、狡いなぁ...

黒裂「...付き合おうよ」

『へ？』

黒裂「俺達、付き合おう。俺も、君の事好きだったんだよ」

俺がそう言うとAちゃんの歩みがピタリと止まった

黒裂「───Aちゃん？」

『...え、ええっ、ええええっ!?』

そして今度は、彼女が叫ぶ番だった

『え、いや、だって、その、あの......』

相当慌てているようだ

可愛いけど、先程の自分がこういう状態だったのだと考えると流石に恥ずかしくなってくる

黒裂「えっと...返事とか、貰っても良い？」

俺が問うてみると彼女はピタリ

全ての動きが一瞬で止まった

かと思うと、キッと睨めつけられる

『...言わなくても分かってるでしょう!?』

黒裂「あー...まぁね」

そう言うと俺はめでたく俺の彼女となった、愛しい人を強く抱きしめた