*＊gioventu＊*【ｲﾅｽﾞﾏｲﾚﾌﾞﾝ短編集】 (ページ13)

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#基山ヒロトページ13

『───ﾊｧｯ......』

私は廊下を1人、歩いている

やけにそれが長く感じられるのは、気のせいだと思いたい

『───...ん？』

ふと目をやると、廊下の途中の部屋の、ドアが開いていた

基本皆部屋に見られたくない物の1つや2つが有るもんだから、こんな事は珍しい

しかも、其処は───

『───...ヒロトの部屋じゃん』

ヒロトはいつもしっかりしてて、ドアを閉め忘れる事なんて考えられない

───...やっぱりヒロトの身に何か有ったんじゃ......？

でも、私が勝手に入っても良いのかな？

ちょっと迷った

でも、ヒロトの身の方が心配

だから私は、取り敢えず軽くノックしてみた

『───...ヒロト？居るー??』

返事は無い

『───...入るよー？』

またまた返事は無い

ぐっと不安が押し寄せた

───もう良いや。入っちゃえ！

という訳で、入ってしまった

部屋の中は真っ暗

電気は勿論全て消されていて、カーテンも閉め切られている

『くっら...』

私は手探りでスイッチを探し、そして押した

パチっという軽い音を立てて部屋が一気に明るくなる

「───...出てってよ」

不意に、そんな声が聞こえてきた

何故かくぐもった声だった

『───ヒロト？』

それはどうやら、ベッドの方からみたい

私はそれに近付いてゆく

ヒロト「───見ないで。早く、此処から出て」

ヒロトは枕に顔を押し付けていた

道理で声がくぐもっている訳だ

『ねぇヒロトどうしちゃったの？何が有ったの??』

ヒロト「...言いたくない」

『......もう、ヒロトってば！』

私はヒロトの肩を掴んで無理矢理顔を上げさせた

だけど、その表情を見てハッとした

ヒロト「───...だから、見ないでって言ったのに」

『───...ヒロト、何で泣いてるの......？』