ideal10*二日目* ページ11
*
｢おい、佐久間。｣
練習二日目。
まだ昨日の疲れが取れきっていない状態での特別メニューは、なかなか応えた。
そんな中での、ただでさえ少ない休憩時間に少しでも体力を回復させようと休んでいたら、不動に声をかけられた。
正直それに応える余裕もない。
だが、なんとか声を振り絞って、両膝の間に入れ込んでいた頭を持ち上げる。
｢...なんだよ。｣
｢この練習に付いていけねえ奴は抜けろ。それだけだ。｣
｢...！｣
ひゅう、と、うまく息を吸えなかった俺の喉が音を立てた。
｢なにを......俺なら大丈夫だ。｣
｢ふうん......負傷から立ち直ったばかりだとは言ってもよお、女に負けるなんやっぱり恥ずかしいんじゃねーの？｣
たとえば、Aとかな。
そう言って不動はグラウンドの方を見やった。
俺もそちらを見てみれば、不動の視線の先には七瀬がいた。
彼女は休憩時間だというにも関わらず、熱心にボールを蹴り続けていた。
｢総帥が求めるのは"一流のサッカープレイヤー"。そして俺はそのチームのキャプテンだ。練習にすら付いていけねえ奴はいらねえんだよ。｣
不動の普段とは違う、馬鹿にしたような態度ではなく、ただ淡々と冷たく言い放たれたその言葉に、俺は返すべき言葉が見つからなかった。
そして不動は黙ったままの俺を見て鼻を鳴らすと、俺に背を向け、そのままこちらを向くことなく七瀬の方へと向かって行った。
俺はなにやら話し込む二人をただ見ていた。
胸の内にあったのは深い絶望と、喪失感だった。
*
『佐久間さん...？少しお時間よろしいですか？』
源田の帰ってこない部屋で一人落ち込んでいたら、七瀬がやって来た。
｢...別に、時間だけはある。｣
『そうですか。お隣失礼しますね。』
座り込んでいたベッドの隣に七瀬が、ストン、と座った。
ふわりと香水のような香りが鼻をくすぐった。
｢...七瀬、いい匂いがするな。｣
『あら、ありがとうございます。』
｢香水かなにかか？｣
『ええ...ママが私にくれたものなのです。よい香りでしょう？』
｢ああ、そうだな。｣
『J’adoreという名前で、込められた意味は"大好き"。
これは、ママの愛情が現れている、唯一無二の品です。』
｢へえ...｣
*
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α - 更新頑張って！！ (2018年10月3日 0時) (
レス) id: ea485f4be1 (このIDを非表示/違反報告)
風丸葩@ぱる(プロフ) - あかねと愉快な仲間たちさん» うわっ、嬉しいコメントありがとうございます！作品を読んでて悶絶してしまう気持ちは分かりますよ笑笑 そして、イメ画描いていただけるんですか!?もう、是非とも、というか宜しくお願いしますとしか言えません...！もう一度言います。よろしくお願いします！ (2017年8月27日 10時) (レス) id: 16e2777840 (このIDを非表示/違反報告)
あかねと愉快な仲間たち(プロフ) - コメント失礼します…！とても面白くて、更新の度にさ゛く゛ま゛…と悶絶しております（笑）佐久間可愛いです佐久間。それと、まだまだ稚拙ですがもし宜しければイメ画を描かせて頂いても良いでしょうか…？ 更新応援しています。無理のない範囲で頑張って下さい…！！ (2017年8月26日 23時) (レス) id: 41c6416ba0 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間葩@ぱる(プロフ) - ★佐久丸 リュウト★(女だお☆)さん» はい！佐久間君大っ好きです！イナウォで惚れ直した系女子です(笑)そして風丸も大好きなんですよ^^更新がんばりますので是非今後ともご愛読をお願いします...！ (2017年5月24日 22時) (レス) id: 16e2777840 (このIDを非表示/違反報告)
★佐久丸 リュウト★(女だお☆) - そして更新頑張ってください！！！ (2017年5月24日 19時) (レス) id: 262bb030d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中原葩@ぱる | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/haruka9132/
作成日時：2017年3月27日 15時
