バーの女 ページ35
〜・〜・〜・〜
収集したデータをまとめて整理し、人気のない場所にとどまり目を閉じてマッドのイヤホンと通信する。
「データを集めた」
《いいぞ
奴らのパワーは?》
「一撃で30%のダメージを受けた」
《運が良いな。私の負傷をパーセントで表すと40%だ。奴らと鉢合わせて取っ組み合いに》
「収穫が?」
《未使用のショットガンを》
イヤホン越しからガチャリという音が聞こえたと思うと、今度は人の声が聞こえ、そのまた次にはバァン!!という大きな銃声が。
《すまないね
ことを済ませたら、また連絡する》
なにかに遮られるようにプツッと切れる通信機。ネクタイをなおし、更なる情報を集めるべく、僕は会場に目を光らせた。
すると、ペンギンスーツを着た女がひとり。気づかれないように彼女をサーチする。
色白:アメリカ人女性。
年齢:50歳後半
所持武器:M1911
武器が厄介だ。一発でもくらえば膨大な損傷は免れない。友好的に近づくのが適策だ。
そう判断した僕は、警部に連絡するべく、目を閉じる。
《フーリッシュ?》
「バーにいる女に近づきたい。君の葉巻とライターを貸してくれ」
《分かった、今向かう》
〜・〜・〜・〜
葉巻とライターをポケットに忍ばせ、フーリッシュのいるバーへ向かった。
ダンスフロアの端にあるそこで、彼は自分の足元を見つめている。
「彼女は?」
「あそこに」
フーリッシュが指さした方向には、バーのカウンターでカクテルを飲んでいた小柄な女が。私は頷き、葉巻とライターを彼に渡した。
そのまま去ろうとすると、フーリッシュの声に止められる。
「ダンスフロアのバーにはペアが必要だ」
「なぜ」
「このパーティーに招かれるのは2人1組」
「・・・分かった、行こう」
私たちは前を通りかかったウエイターからシャンパンをもらい、怪しまれないよう普通に近づき彼女に声をかけた。
「やあ、楽しんでる?」
私はシャンパンを片手に、笑顔で言う。
「ええ、あなたは?」
「とても楽しいよ。普段は仕事ばかりでこんな所には滅多に来れないから───
君はひとりでこのパーティーに?」
「いるわ。いまお手洗いに
彼、もしかしてアンドロイド?」
女はフーリッシュをグラスで示す。私は"ああ"と呟いて言葉を続けた。
「家事を手伝ってもらってる。家族も同然だよ」
「へえ、ずいぶんハンサムね」
これは勘だが、彼女のフーリッシュを見る目がどこかおかしいような気がした。
妙に胸騒ぎがした私は、早く終わらせようとフーリッシュの腕をつついた。
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クロユリ☆★(プロフ) - ここりどらすさん» わあ、嬉しいです!ありがとうございます(^^*) (2019年8月23日 1時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - 好きです。8点入れさせていただきました。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: af90c931db (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - ぐうたら猫さん» ご報告ありがとうございます!これからも頑張ります! (2019年2月8日 18時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - こんばんは。誤字があったので、ご報告します。『彼の感情』の後半、機械が機会になってました。修正と更新、頑張って下さい! (2019年2月8日 17時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - 夜桜さん» わかりました!拝見させていただきますね! (2018年8月14日 19時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロユリ☆★ | 作成日時:2018年7月25日 13時