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ロンドンジョーク ページ12

〜・〜・〜・〜


冷たく暗いロンドンを歩く。


人々の生活の音を聞きながらタクシーをとめて乗り込み、頭のなかで今までの出来事のまとめや推理をしていた。


すると突然車が急ブレーキをかけ、前の座席に鼻をぶつけた。


「危ねぇな!!おい、そこの車椅子!!あと少しで轢くところだったぞ!!」


"車椅子"のワードで僕はハッとして、フロントガラスの先を見る。


そこには下唇をかんで、申し訳なさそうにまゆを下げる警部が僕の乗っている方のガラスをコンコンと叩く。


"ひとりで捜査できると思ったら大間違いだぞ"


そう口パクで告げた。


結局、警部は僕単体で捜査するのを許してくれなかった。隣で揺さぶられている警部を見ては、視線を足元に落とす。


「どうして僕のあとを?」


「これは極めて危険な捜査だ。それに、またひとりで朝食を食べるのはごめんだからな」


「・・・どういうことだ?」


「はは、アメリカンジョークが通じないな君は。ルームメイトの君を置いて行けないってことだよ」


「ここはアメリカじゃない」


「・・・ロンドンジョーク?」


「語呂がいい」


「そうか?」


〜·〜·〜·〜


目的地に着くまではとても早かった。タクシーを降りると───


見上げると首が痛くなるほど巨大なビルが、目の前にそびえ立っていた。


「ここは?」


「アンドロイドだけが働く会社だ。ペンを調べてもらう、僕の分析では判断しきれないことがある。

アンドロイドが人間の職業を奪ってしまう前にたくさん働いておいた方がいいぞ警部」


「ははは、もうロンドンジョークを学習したのか、さすがはアンドロイドだ」


「人間はなんでも軽く受け止めすぎる」


「・・・恐ろしいこと言わないでくれ」


「ロンドンジョークだ」


ニィと口角をあげ胡散臭い笑みを浮かべるフーリッシュに多少背筋を凍らせながら、私たちはビルに入っていった。

ドン・コネリー→←彼の感情



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設定タグ:オリジナル作品 , ミステリー , アンドロイド   
作品ジャンル:ミステリー, オリジナル作品
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クロユリ☆★(プロフ) - ここりどらすさん» わあ、嬉しいです!ありがとうございます(^^*) (2019年8月23日 1時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - 好きです。8点入れさせていただきました。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: af90c931db (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - ぐうたら猫さん» ご報告ありがとうございます!これからも頑張ります! (2019年2月8日 18時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - こんばんは。誤字があったので、ご報告します。『彼の感情』の後半、機械が機会になってました。修正と更新、頑張って下さい! (2019年2月8日 17時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - 夜桜さん» わかりました!拝見させていただきますね! (2018年8月14日 19時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロユリ☆★ | 作成日時:2018年7月25日 13時

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