食後のデザート ページ9
〜・〜・〜・〜
翌日、いつもと違う匂いと、かすかに見える淡い光で目を覚ます。
ベッドからおりて大きく背伸びをしながら聞こえてくる音に耳を澄ましてみると、忙しく奏でられた皿の音が聞こえてきた。
「おはようフーリッシュ
昨日はよく眠れた────」
そう言いかけた私の唇は、目の前の光景に塞がれてしまった。
昨日までは殺風景だった食卓の上には一輪のスイートピーが花瓶に生けられ、その花瓶を囲むように豪華な料理が並べられていた。
「おはよう警部」
「え・・・これ全部君が？」
「ああ、住まわせてもらうのだからある程度の手伝いはしなければ」
「ははっ、確かにそうだ、ルームシェアするからには家事は役割分担した方がいいよな。
君はとても賢い奴だ」
「分かりきったことをわざわざ言う必要はない」
「ははは、そうだったな・・・・あ、そうだ！昨日カフェオレが飲みたいと言ってたな、ちょっといれるから待っててくれ」
彼が好みそうな少し苦味のあるカフェオレと自分用のミルクを食卓に並べた。
ふとフーリッシュを見ると、初めて目にする飲み物にどこかワクワクしているようだ。
「さあ、食べよう」
「ああ」
彼が一番最初に口に運んだのはカフェオレだ。おそるおそる飲むと、水色の瞳がショックを受けたように大きくなった。
不味かったか、と彼を見やるが
「ブラックもいいが・・・
カフェオレも捨てがたいな」
心配する必要はなかったようだ。
「ははは、気に入ってもらえて良かったよ」
穏やかな朝に、新しいルームメイト。
完璧な朝じゃないか！
ひとりでそう盛り上がっていると、外からそんな完璧な朝をぶち壊すような騒がしいパトカーの音が聞こえてきた。
「どうやらお客様のようだ、君は食べてて。僕が出るから」
彼は頷きもせず、黙々とカフェオレと料理を交互に食べていた。
私は玄関に出てパトカーからおりてきたジェニファーに話しかける。
「なにか調査の進行が？」
「いいえ、いくら調べても昨日彼が見つけたペンを購入した人が見つからないんです」
「なんだって？」
「通常出勤の時間より早いですが、どうか彼に調査をお願いしたくて来たんです」
「・・・分かった、ちょっと待っててくれ」
「ええ」
私は階段をかけ登り、とっくに料理を平らげていたフーリッシュに話しかけた。
「どうやら調査が行き詰まっているらしい。君の助けが欲しいんだと」
「なら今すぐ行こう警部。
食後のデザートだ」
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クロユリ☆★(プロフ) - ここりどらすさん» わあ、嬉しいです！ありがとうございます(^^*) (2019年8月23日 1時) (
レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - 好きです。8点入れさせていただきました。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: af90c931db (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - ぐうたら猫さん» ご報告ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年2月8日 18時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - こんばんは。誤字があったので、ご報告します。『彼の感情』の後半、機械が機会になってました。修正と更新、頑張って下さい！ (2019年2月8日 17時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - 夜桜さん» わかりました！拝見させていただきますね！ (2018年8月14日 19時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロユリ☆★ | 作成日時：2018年7月25日 13時
