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CHAPTER.1〈大災害〉1 ページ5

「ソウジ、貴方も此処にいますか?」
私は側にいた、すごく見覚えのある武士に話しかけた。
「はい。夢、じゃ…ないんですよね…」
周りには、呻き声を上げる戦士や、うずくまる魔術師がいる。
きっと、彼らも、此処にいる〈冒険者〉だ。
目の前に広がるのはアキバの街。
いくつもの廃ビルがアスファルトのあちこちから旺盛に伸びるツタに絡みつかれ、精霊力の恵みを受けた古代樹と融け合った、多くのプレイヤーの本拠地(ホームタウン)。いまや郷愁を覚えるほどに慣れ親しんだ、〈エルダー・テイル〉日本サーバー最大のプレイヤータウンだ。
「アキバ?―ふざけんなよっ!俺の頭がおかしくなったのかよっ!誰か、誰か答えろっ」
「格好悪い…(ボソッ」
煩く叫ぶ剣士に軽蔑した視線を送り、武士に向き直る。
ぎゅうううう
「痛い!痛いですキョウカっ」
「夢じゃない!?」
「それ、普通自分でやりません?」
ソウジのツッコミを無視して、確認する。
「夢じゃ、ない…んですね」
「はい…」
ぱあああああ
「「〈エルダー・テイル〉の、世界だあ!」」
2人揃って叫んだ。
周りと違い、その表情は喜色一色。ふと、あの2人もこんな反応だろうと思った。
「すごいですね!〈エルダー・テイル〉ですよ!」
「このあがりきったテンション!ボクは抑えきれない!うおおおおお!」
「うん、けど落ち着きなさい」
とはいえ、私だってテンションはあがっている。また叫びたい位だ。
「殴らせろおおおお!」
「あれ?あっちにも(変な感じに)テンション高い人が…あ、倒された」
はて?あの少年剣士とチャイナドレスの女性、どこかで…?
「ま、いいです」
「何がですか?」
「別に」
多分どうでもいいことなので誤魔化すと、ソウジもすぐに興味を失った。
「さて…これからどうしますかね?」
「いえ、そんなことを私に聞かれても…私は参謀達ほどそういうことに頭が回りませんから」
「アキバにいるのはエーシャとシロ先輩ですね」
フレンドリストから調べたのだろう。目線が宙を向いている。
「他は?」
「インティクスさんはミナミ、KRさんは…外国サーバーか、ログインしてないか…リストの項目が暗いです」
ふむ、と一瞬思案する。
「エーシャはギルドに入ってましたね」
「はい、〈シルバーソード〉の立ち上げに参加してました」
「ではシロ師範を頼りましょう…っと念話が」
「誰からですか?」
「…ソウジ、あの人は心でも読めるのですかね?」
「まさか…」
「お久しぶりです。師範」

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ヒトナ(プロフ) - あん子さん» ありがとうございます!暇な時間を見つけて、一刻も早く更新できるように頑張ります。 (2015年8月21日 1時) (レス) id: 5ceff24628 (このIDを非表示/違反報告)
あん子 - 面白かったです!更新頑張ってください。 (2015年8月21日 0時) (レス) id: 432de05c10 (このIDを非表示/違反報告)
ヒトナ(プロフ) - 水妖精さん» 水妖精さん、コメントありがとうございます!ようやく返信方法がわかったので返信させていただきます。面白いと思っていただいて光栄です。毎日とは行きませんが、一番更新を進めたい小説ですし、頑張ります! (2015年5月9日 0時) (レス) id: 5ceff24628 (このIDを非表示/違反報告)
ヒトナ(プロフ) - ありがとうございます!返信の仕方がわかり次第、ちゃんと返信させていただきます (2015年5月7日 22時) (レス) id: 5ceff24628 (このIDを非表示/違反報告)
水妖精 - 面白いですー。更新がんばってくださーい♪ (2015年5月7日 21時) (レス) id: 4ed4b034ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒトナ | 作成日時:2015年4月25日 9時

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