プロローグ ページ1
「直継。左前方、注意っ！」
「よしきた、任せろっ」
「行くよっ」
シロ師範の言葉に直先輩は叫び返すと、鈍い銀色の盾を掲げて〈人喰い草(トリフィド)〉をたたき落す。もうひとり、ルナ先輩は槍鎌(ハルバート)を振るい、銀の斬撃を放つ。
「主君っ/キョウカっ」
左から突出してきた緑色のうねる蔦を素早い一撃で牽制したアカツキはそのまま身体を低く沈めながら、師範を護衛する位置に入り、しなやかな剣技で流したソウジはすぐ前線に戻る。
私はと言えば全員に障壁を張り終え、装備を杖から薙刀に替える。
ここは〈スモールストーンの薬草園〉。
小規模なゾーンではあるが、古代の遊戯施設を含むために、周辺の廃墟とは違い、地形が変化に富んでいて戦闘が難しい。
「つか、多くねぇ？」
「直継がシモネタをいうたびに数がふえるんだ」
「どう責任とってくれるんですか」
「疫病神ー」
「俺のせいかよ！？」
先輩のツッコミに答えず、師範は青白い魔法の矢を作り出すと〈棘茨イタチ(ブライアーウィーゼル)〉に投射した。〈マインド・ボルト〉は〈付与術師(エンチャンター)〉のもつ基本的な攻撃魔法で、単体の敵を打ち抜く精神力の矢だ。
ついでに私は薙刀を振る。
鋭い悲鳴を上げて跳ねる１メートルほどの齧歯類(げっしるい)を見ながらも、剥れた先輩の障壁を張り直し、私は脳裏に浮かぶアイコンをイメージする。
再使用規制時間(リキャスト・タイム)を表現するために色を失ったアイコンは、砂時計のようにゆっくりと復活してゆく。アイコンが輝きを取り戻すまで、この呪文は使用不可能だ。しかし、私が使用できる呪文は他にも30種類近く存在する。
「ラッシュ！ソウジ下がって、アカツキは左翼、ルナは右翼攻略っ」
「はい！」
「了解っ」
「任せろっ」
「ラジャー」
それにそれらが使用できないとしても、今の私には5人の仲間がいる。
「おらぁ、いっくぜぇ！〈シールド・スマッシュ〉ッ！」
苔に覆われた小怪を鋭く前進して、盾を横薙ぎに払う銀鎧の戦士は直継先輩。短い髪と陽気そうな瞳を持つ長身の男で、いくつもの戦いを潜り抜けた仲間だ。
職業は〈守護戦士(ガーディアン)〉。敵の攻撃を一手に引き受ける戦士系３職のなかでも最大の防御能力を誇り、〈エルダー・テイル〉においては不破の盾の異名を誇っている。
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ヒトナ(プロフ) - あん子さん» ありがとうございます！暇な時間を見つけて、一刻も早く更新できるように頑張ります。 (2015年8月21日 1時) (
レス) id: 5ceff24628 (このIDを非表示/違反報告)
あん子 - 面白かったです！更新頑張ってください。 (2015年8月21日 0時) (レス) id: 432de05c10 (このIDを非表示/違反報告)
ヒトナ(プロフ) - 水妖精さん» 水妖精さん、コメントありがとうございます！ようやく返信方法がわかったので返信させていただきます。面白いと思っていただいて光栄です。毎日とは行きませんが、一番更新を進めたい小説ですし、頑張ります！ (2015年5月9日 0時) (レス) id: 5ceff24628 (このIDを非表示/違反報告)
ヒトナ(プロフ) - ありがとうございます！返信の仕方がわかり次第、ちゃんと返信させていただきます (2015年5月7日 22時) (レス) id: 5ceff24628 (このIDを非表示/違反報告)
水妖精 - 面白いですー。更新がんばってくださーい♪ (2015年5月7日 21時) (レス) id: 4ed4b034ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒトナ | 作成日時：2015年4月25日 9時
