【H×H】私は隠者の書を狙う忍者【成り代わり】 (ページ3)

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壱話ページ3

「ステーキ定食弱火でじっくり」

あの日から私はずっと修行やハンター試験の情報採取などに明け暮れていた。
気付いたら三ヶ月もすぐに経ち、慌てて出発した。
道中にいろんなことがあり、なんとかナビゲーターも見つけることができた。

そんなこんなで私は今ナビゲーターと共に「飯どころごはん」に来ている。
まぁ普通はこんなどこにでもありそうな定食屋が試験会場なわけがないと誰でも思う。
そしてこの合言葉、だからこそナビゲーターなしには試験会場につきないことを思いしった。

店員に案内されたのはコンクリートの個室。
中にはステーキが焼かれており、ごはんなどが置いてあった。
ここから試験会場にどうやって行くのだろうか？

「それじゃあ、俺はここまでだ。せいぜい一次試験で落ちないように頑張りな」

私が腰をかけるとナビゲーターが言った。
やはりここが試験会場で間違いないらしい。
焼かれているステーキを取り、タレをつけてごはんと一緒に口に入れる。

「うわっ、美味しー」

最近ハンター試験のことばかりでろくにちゃんとした食事をとっていなかった。
……からだろうか？
いつもよりも何倍も美味しく感じる。

ガコン！！

個室が丸ごと揺れた。
そのまま個室は下へと下がって行く。
なるほど、エレベーターか……

下に行っているということは地下に行くのだろうか？
まだ予想ができない。
まぁ腹が減っては戦は出来ぬと言うので私は揺れる定食を食べ始めた。

少し経った頃。
個室がガクン！と揺れ、個室の動きが止まった。
B100……地下100階か、やっぱりハンター試験に壮大なモノがかかってそうだ。

おしぼりで手を拭い、残りの水を飲み干した。
個室から降りた瞬間に鋭い殺気が叩きつけられる。
だがそれは少しもしないうちに和らいだ。

私が女だからだろうか？
舐めてるのか。
もしそういうことだったらそれは命取りだな。

「どうぞ！番号札です」

緑色の豆？のような物体(いやでも体がある)が腕にかけているカゴから札を取り出して私に差し出した。
ありがとう、と声をかけながら札を受け取り番号を確認する。
294番か……、まぁまぁかな。

近くの壁に寄り添い、目を瞑る。
寝ているわけではない。
もう一度言う、寝ているわけではない。

これからどんな試験が始まるかも分からないところだ。
体力はもちろん、いろいろと温存しておかないと不利になってしまう。