【雪男】嫌われマネの口が悪すぎる。

22話 ページ23

木村【まだ近くいる？楽屋おいで〜。面白いことになってるから笑】


さっさと帰ろうと車に乗り込んだ時、スマホが震えた。
何かと思って見ると、木村さんからのメッセージだった。


『面白いこと…？？』


その言葉の下にはうさぎが笑い転げてる変なスタンプも貼ってあった。
無視して帰ろうとも思ったのだけど、態々私にこんな事を言う理由が気になって、こっそりとバレないように楽屋を覗いてみようと決め、車を出たのが、ほんの数分前。






なのに、今は…


岩本「っ、ぅ、」

佐久間「黒羽さん…」

向井「おっ、おれ、俺ら、」

宮舘「こめんなさい、本当に…」


全員が、私を囲んで泣いている。
え、マジで何この状況。


『ちょ、えぇ…泣かないでくださいよ…』


全員の事を敵対視して、私に向けられる態度や言葉に、あんなにも傷ついて、時には泣きそうになっていたのに。
そんな張本人達が、こんなにも悲しそうな顔をして泣くせいで、完全に毒気を抜かれてしまった。


渡辺「マジで、辞めないでください…」

阿部「絶対に、もう二度と傷つけないって約束します」

深澤「許してくれなんて、言えないですけど…」

目黒「本当に、本当にごめんなさい……」

『え、えぇっと…』


皆の態度に困惑していると、また扉が開いた。


ラウ「えぇ！なにこれ！」

木村「ね！面白いでしょ」

幸代「あははっ！良かったね黒羽！モテモテじゃん」

『…いや、どこが…？？』


困惑する私と、泣きじゃくる大人達と、ケラケラと可笑しそうに笑う2人。
こんなカオスになるなら戻ってこなければよかったと、少しだけ後悔した。

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