【雪男】嫌われマネの口が悪すぎる。

2話 ページ3

誰があんな奴ら迎えに行くか。歩いて来い。


…なんて言ってやりたかった気持ちをグッと抑え、私は岩本照さんの家の前まで来ていた。
今日は佐久間大介さんと阿部亮平さん、ラウールさんの迎えも任されている。正直嫌だけれど、仕事だから仕方がない。



数分待っていると、変装をした岩本さんが車に乗り込んだ。


『おはようございます。今日は佐久間さん、阿部さん、ラウールさんの順番で送迎して、その後…』

岩本「いちいち説明しなくて良いです。早く動かして下さい」

『…発進しますね』


クッソ腹立つ。なんなんだコイツらは。
文句のひとつも言ってやりたかったが、幸代さんに「仲良くしてね。信頼関係は大事だって、今まで色んな人のマネージャーしてた黒羽ならわかってるよね？」なんて、軽い圧をかけながら笑顔で言われてしまっては、こちらが我慢するしかない。
100キロで電柱に突っ込んでやりたい気持ちをグッと抑え、私は法定速度を守りつつ車を走らせた。


＊＊＊

『おはようございます』

佐久間「…」

『チッ…発進しますね』


＊＊＊

『おはようございます』

阿部「…今日、黒羽さんが運転なんですね。道分かってるんですか？」

『分かってなかったら運転なんてしませんけど？いいから早くシートベルトつけてくれません？』


＊＊＊

ラウ「おは…ようございます」

『おはようございます…髪の後、跳ねてますよ。クシいります？』

ラウ「自分の、あるんで。ありがとうございます…」

『いえ…じゃあ、走らせますね』


＊＊＊



無事、事務所まで最短距離で送り届け、全員を下ろした後、ため息を吐いた。

マジで、腹立つ。ストレスフルにも程がある。
ラウールさんは兎も角、他の奴らが本当に無理。
口を開けば喧嘩をふっかけてくるなんて、性格悪いにも程がある。
…てか、我慢できなくて言い返しちゃってたし。


『前途多難すぎる…』



そう言って、もう一度深いため息をついた。

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