「Free!」俺は、お前しか好きならない。 (ページ9)

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４５話ページ9

あ「七瀬君・・・」

私は、自分が何者か知らない。

目が覚めて、病院に居て・・・。

自分の名前すらわからない。

そんな恐怖の中、私が何者なのか教えてくれたのは・・・。

明華さんだった。

でも、岩鳶高校に入って、七瀬君にであって・・・・。

松岡さんという彼女を知って・・・。

それが私？

明華さんは、私を家まで送るとかえって行った。

あ「俺は・・・Aしか好きにならない・・・？」

その言葉をつぶやくと誰かの記憶がよみがえる。

『私も遙しかすきにならないよッ！』

誰？誰なの・・・？

七瀬君の隣で笑っている女の子。

その子は私に似てる・・・・。

『まだ・・・生きていたいよぉぉぉ！！』

『ごめんね・・・』

『一回だけ、あなたを忘れさせてください・・・。また、生きるために。』

『ここは・・・どこ？』

『初めまして、私の名前は・・・・』

あ「私は・・・松岡A？」

思い出した。

私は・・・松岡A。

私のいとこ。凛、江。

友達。真琴君、渚君、怜君。

そして、愛する・・・人。

あ「は・・・遙ッ！！」

涙が流れる。

なんで、こんなにも愛しい彼を思い出せなかったのかな？

あ「私、なんて最低な人だろう。」

私は、走る。

家を出て・・・、彼の家に・・・。

走る・・・。

明「なにしてるの？」

あ「め、明華さん・・・」

明「あなたは七瀬よ？」

あ「・・・・私は・・・」

と走り出す。

明華さんはハイヒールだ。

明「ちょ・・・待ちなさい！！」

私は、階段を走りあがる。

途中で、躓いて、転ぶ。

あ「いったぁ・・・」

明華さんとの距離が近づく。

あ「っ・・・・！！」

立ち上がって、遙の家の前まで来る。

明「・・・待ちなさい。」

明華さんはハイヒールを脱いで、裸足だった。

腕をつかまれる。

あ「やめてください！！」

明「あなたに・・・悲しい思いなんてさせない。」

あ「・・・狂ってるわ。」

明「なに？」

あ「狂ってるわ・・・。悲しい思い？上等。私は・・・」

明「ま・・・」

名前を言おうとする前に、遙が家から出てくる。

遙「松岡A・・・？」

あ「どうだろ・・・。あとモー少しで七瀬だけどねっ！！」

明「Aちゃん・・・記憶・・・・」

あ「そうです、悲しい思い出は思い出しました。だけれど・・・」

私は・・・・

あ「遙のことを愛しく思う気持ちも思い出しました。悲しくなんてありません。」

遙「A・・・・・」