９ ページ9
「携帯はもういらないかな。
なくても何とか生きてるし」
「あかんて。
俺が困るもん。
なんかあった時に、
彼女と連絡取らへんって、
不便やわ」
「か、の、じょ、・・・？」
Aちゃんが、
一音一音、ゆっくりと発音した。
「・・・やろ？
俺はもうそのつもりやってんけど」
「・・・そうなんですか？」
「うん、そう。
さっき、俺の同僚にやきもち妬いてたやん」
「あれは、やきもちとかじゃありません」
「じゃあ、なんやったん？」
「何って・・・
遊園地でも電車でも、
あんまり感じなかったのに、
白衣着てる大倉さん、
どこからどう見ても、
すっごくお医者さんで。
凄い人だったんだ、って、
だいぶと、怖気づいてたんです」
「医者やったら、なんで怖気付くん？
同じ人間やん。
変な子」
「そうだけど、
人の命、救えるなんて、
私には世界が違うから」
・・・救われへん命も、たくさん、ある。
やり切られへんことも、
星の数ほど・・・
けど、それは言葉にしたらあかん気がして。
「なあ、もう屁理屈いらんねん。
俺んこと、ちょっとは好き？」
Aちゃんが、
目をぱちくりした。
頬が真っ赤っかに染まってく。
「好きやろ？
そんだけでええやん」
はよ、うなづいて欲しいて、
強引なこと、言うたけど、
実はめっちゃ勇気いってん。
これって、よっぽど自分に自信あるヤツしか、
言うたらあかんやつ。
Aちゃん、もしや、ドン引きしてへん？
急に恥ずかしいなってきた。
ここぞって時に、
どーんと構えておられへん、
ヘタレな俺。
「寒ない？
俺、仮眠室から毛布取ってくるわ。
ここで待っといて」
じっとしてられへんかって、
立ったら、
Aちゃんも、
つられたように、
ベンチから立ち上がる。
「お、置いて行かないで下さいっ。
怖いじゃないですかっ」
俺の白衣の肘んとこ、
掴んで、引っ張ってきて。
あかん、もお。
可愛い過ぎ。
「ええ加減、素直んなって、
俺の彼女て認めたら、
一緒に連れてったってもええで？」
「ずるい！そんな交換条件」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 544人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yume.no.(プロフ) - うぅーーっ！！苦しいーーーっ！！こうなることはわかっていたけど、やっぱり切ない悲しいですね(;_;)こんな幸せから一転！foolさんのお話は引き込まれますね！書くのも辛くなりそうな展開なので無理されず！でも楽しみにしていますね♪ (2019年12月20日 1時) (
レス) id: 979f5b0d6b (このIDを非表示/違反報告)
まゆ☆まゆ(プロフ) - やっぱりfoolさんのお話は最高です！たくさん更新してくれて嬉しいです。これから更に切なくなっていくと思いますが続きを楽しみにしてます♪ (2019年12月19日 20時) (レス) id: 8a01f69d5a (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - ここまでの甘々、楽しかったです…続きも楽しみにしてます♪ (2019年12月19日 17時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - そんな私の小言はどっかに置いといて下さい！！！続きハイパー楽しみにしてます＼(^o^)／ (2019年12月17日 23時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 更新嬉しくてすぐコメントしちゃいました笑♪実は勝手に挿入歌のように思ってる曲があるんだけど…宇多田ヒカルさんのPlay A Love Songなんですが…冬から春になる季節感やテンポ感が私の中でシンクロしてて…っていう勝手な感想でした笑 (2019年12月17日 22時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool x他1人 | 作成日時：2019年10月23日 13時
