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「章ちゃん、もう安心していいよ」


Aのヤスに対する気持ちは、
ほんまにほんまに純粋で。

やから、ヤス、怖かったんかな。

ほんまは、ヤスもAん事・・・


「大倉なら、安心して、
妹を任せられるな」


「ありがと」


「やきもち妬きやもんなあ。
ブレスなんか持ってたら、
嫉妬でおかしなるよな?
なあ、大倉?」


ヤスが、声、張るもんやから。


「気付かれとったんか」


出て行かなあかんなってもうたやんけ。

かっこ悪。


「・・・忠義くん。
待ってなくてごめんね。
章ちゃん、もうすぐ出番って言うから。
焦っちゃって」


「ええよ、それはもう。
それより、A、
ブレス、ほんまにヤスに返してええん?
お守りなんやろ?」


彼氏としての面目保ちたくて、
つい、意地を張ってしまった。


ヤスにもらったもんなんて、
A、いっぱい持ってるねんで?


前のアパート水没して、
めっちゃ差し入れてもろてたもん。

ヤス、男にしてはちいこいから、
自分の洋服もあげてたぐらいやし。


けど、このブレスは、
二人にとって、特別な宝物。

俺には入り込まれへん、
大事な大事な思い出がある。


そこに嫉妬せえへんわけちゃうけど。

いや、内心、嫉妬で焦げ付きそうやねんけど。

余裕、見せたかってんて。


「いいの。
今まで5年も守ってくれたから。
このブレスのおかげで、
忠義くんとも出会えた」


ふふって、Aが、笑いかけてくる。

なんちゅう、可愛いらしさ。


「二人がこうなったんも、俺のおかげやな」


ヤスがにこって笑う。

その瞳が悲しく揺れた気がして、
胸がざわつく。


「俺、出番やから行くわ」


ヤスが、ブレスをポケットに突っ込んで、
ライブハウスの裏口から消えてく。


Aは、大仕事終えたみたいに、
ふうって、ため息ついた。


「良かった、受け取ってくれて。
いつまでもこんなの持ってるなんて、
章ちゃん、不気味に思うかなって、
さすがに不安だったんだ」


「・・・」


その想いの深さ、
俺に伝えてええわけ?


Aのこういう、
裏表ないとこが、

掴まえても、するって抜けられそうで、

俺を、もっと、深追いさせるねん。

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yume.no.(プロフ) - うぅーーっ!!苦しいーーーっ!!こうなることはわかっていたけど、やっぱり切ない悲しいですね(;_;)こんな幸せから一転!foolさんのお話は引き込まれますね!書くのも辛くなりそうな展開なので無理されず!でも楽しみにしていますね♪ (2019年12月20日 1時) (レス) id: 979f5b0d6b (このIDを非表示/違反報告)
まゆ☆まゆ(プロフ) - やっぱりfoolさんのお話は最高です!たくさん更新してくれて嬉しいです。これから更に切なくなっていくと思いますが続きを楽しみにしてます♪ (2019年12月19日 20時) (レス) id: 8a01f69d5a (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - ここまでの甘々、楽しかったです…続きも楽しみにしてます♪ (2019年12月19日 17時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - そんな私の小言はどっかに置いといて下さい!!!続きハイパー楽しみにしてます\(^o^)/ (2019年12月17日 23時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 更新嬉しくてすぐコメントしちゃいました笑♪実は勝手に挿入歌のように思ってる曲があるんだけど…宇多田ヒカルさんのPlay A Love Songなんですが…冬から春になる季節感やテンポ感が私の中でシンクロしてて…っていう勝手な感想でした笑 (2019年12月17日 22時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2019年10月23日 13時

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