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◆__高次脳機能障害 hk ページ46

side jesse



キーン コーン カーン コーン
〜♪


1限目の始まりを知らせるチャイムが、
「ひまわり学級」の教室に響いた。

俺は大きくひとつ伸びをして、
向かい合って置かれた机とイスに目をやる。

……北斗、また遅刻。


「haha,さーぁ、
どこで分かんなくなったかな〜」


立ち上がって、俺は教室を後にした。






公立中学校の特別支援学級担任になって 6年が経つ。
これまで多くの生徒達を受け持ってきた。

例年、この教室には3学年合わせて4,5人が在籍する。

けれど昨年度、3年生が3人卒業して
新たに在籍する生徒もいなかった。

つまり、今年度この「ひまわり学級」に通っているのは
2年の松村北斗だけってこと。


「……あ!北斗〜、ここにいたの!」


2階の階段の踊り場で、
ぽけーっと座っていた北斗。

俺の声に反応して顔を上げたから、
同じ高さになるように腰を下ろした。


「good morning!」

「うん」

「hahaha!言ってみ?日本語でいいから」


言葉が出てきにくい北斗は、
とりあえず「うん」って頷きがち。


「……おはよう、」

「………ございます ね!笑 まぁ別にいいけど!笑」


北斗も ふふふ、と笑ってくれた。
でも、遅刻はよくないからねぇ。


「先週1週間、HR教室から ひまわり までの道順2人でおさらいしたじゃん。
北斗、『もうおぼえた!』って先生に言ってくれてたよ〜?」


新しいことがなかなか覚えられないのも、
高次脳機能障害の症状のひとつ。

忘れてしまったことを、叱ったりはしない。
だけど、自分が 忘れやすい ってことをきちんと認識していくことが大切だから。

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(プロフ) - ゆっこさん» ご愛読ありがとうございます!大変励みになります。今後もよろしくお願いします! (2020年8月10日 12時) (レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます。 (2020年8月9日 18時) (レス) id: 354b579e15 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - りんご。さん» 申し訳ありません。現在リクエストは停止させて頂いております。募集再開の目処も立っておりません…ご期待に添えず申し訳ないです…作品、読んでいただきありがとうございます。 (2020年5月30日 22時) (レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
りんご。 - リクエストしても大丈夫ですか! (2020年5月30日 22時) (レス) id: a530807534 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月30日 17時

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