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side yugo
北斗が聴こえているのはせいぜい近い席のジェシーと樹の声くらいで、
あとは多分ざわざわと音がするくらいだと思う。
会話には入ってこない北斗を、
時折二人が誘ったりする。
「ほくと、いま慎太郎が、
ご飯おかわりしてる」
『んっ?』
「しんたろうが、ごはんの、おかわり」
『…たべすぃだよ』
呆れて笑う北斗。
ちくんなよぉ〜、と慎太郎も笑う。
そんな慎太郎は北斗のそばに駆け寄って、
「れいぞうこに、とろろ、あったよ」
『…えっ!』
北斗は一気ににっこり。
その瞬間 樹はがっかり。
「はー?
それ俺が特売で買ったやつ、北斗に内緒で出してやろうとしてたのに」
「へっへ」
『しんたろ、』
「ん?どしたどした」
『とろぉ、たべたい!』
「ほらぁ〜。もーなんだよ計画台無しじゃん!」
と言いながらも自分で冷蔵庫まで取りに行く樹。
パックの、ちょっといいやつ。
「ほくと〜、
蓋開けて、置いとくよ、ここ。」
『うんっ』
「ハハッ!まぁいーよ、北斗、かーわいい」
『んっ?』
「んーん、なんでもねぇよ〜」
嬉しそうにとろろを頬張る北斗。
それを、嬉しそうに眺める4人、と俺。
例え見えなくても、
例え聴こえなくても、
“みえる”もの
“きこえる”おと
北斗はそれを、感じ取ってくれている気がする。
だから俺らも、北斗が示してくれる意思や、
感情ひとつひとつ
逃さずに、ちゃんと大切に受け止めてあげたいと思う。
かぞく、だから。
それは例え俺達に、
誰ひとり、血の繋がりがなくとも。
fin.
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最後まで読んでいただきありがとうございます!
この世界線の北斗くんと5人の、小さい頃のお話を
privatterにて同時に掲載しました(^^)
@haru_ix からぜひどうぞ。
これからも「どんなあなたも好き。」を
よろしくお願いします!
晴
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晴(プロフ) - ゆっこさん» ご愛読ありがとうございます!大変励みになります。今後もよろしくお願いします! (2020年8月10日 12時) (レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます。 (2020年8月9日 18時) (レス) id: 354b579e15 (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - りんご。さん» 申し訳ありません。現在リクエストは停止させて頂いております。募集再開の目処も立っておりません…ご期待に添えず申し訳ないです…作品、読んでいただきありがとうございます。 (2020年5月30日 22時) (レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
りんご。 - リクエストしても大丈夫ですか! (2020年5月30日 22時) (レス) id: a530807534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:晴 | 作成日時:2020年5月30日 17時