◇＿＿左半身麻痺（脳梗塞） hk ページ36
side A
ぎゅっと、何かに抱きしめられた気がして
ふと目を開くと
その正体は、隣に眠っていたあなた。
……ま そりゃそっか。
寝室。
私と、あなたしか居ないのだから。
気持ちよさそうに 枕に頭を沈めてる。
カーテンから、朝日がこぼれているのに気がつく。
私の体に少しぎこちなく巻きつけられた左腕は
目を覚ましたら、また拘縮しちゃう？
そんなあなたも私は 愛おしくて、
鼻の先をつんつん触ってみる。
全然起きないからこれがまた可笑しくって。
その腕に応えるように抱きしめ返したら、
『ん、…』
ってちょっとだけ起きてくるの。
「ほーっくん」
『…んー…？Aちゃん、おいしぃ…』
「なに、寝ぼけてるでしょ〜？」
『…んぇ、俺今なんて』
私の声でようやく目が覚めたみたい。
左手が、きゅうーっと。
そして、左足も。
私の腰周りから、拘縮した腕が離れてく。
指先や手首が内側に入り込んで
左手は、元通り彼の方へ吸い寄せられた。
「ほっくん、おはよう」
『…おはよ Aちゃん。
よく眠れた？』
「うん、ぐっすり。
ほっくんも 気持ちよさそうにしてたね」
そう言ったら彼は へへ、と笑って
今度は右手で 頭を撫でてくれた。
『朝食、パンかご飯かどっちがいーい？』
「うーん、…パンかなぁ」
『へへ、俺もそっち。決まりだね』
土曜の朝。
慌ただしい平日とは違って、ゆったりと流れる時間が好き。
彼も同じことを思っているのか、なかなか起き上がろうとしない。ずっと私を見つめて、時折照れたように笑う。
「なぁーに、さっきからっ」
『んー？俺にしかわかんないよーっ』
Aちゃんのこと独り占め、と付け足す彼。
私の頬は赤らむ。
『さくらんぼになってる、』と彼は嬉しそうで
そんなあなたをまた好きになる。
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晴(プロフ) - ゆっこさん» ご愛読ありがとうございます！大変励みになります。今後もよろしくお願いします！ (2020年8月10日 12時) (
レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます。 (2020年8月9日 18時) (レス) id: 354b579e15 (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - りんご。さん» 申し訳ありません。現在リクエストは停止させて頂いております。募集再開の目処も立っておりません…ご期待に添えず申し訳ないです…作品、読んでいただきありがとうございます。 (2020年5月30日 22時) (レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
りんご。 - リクエストしても大丈夫ですか！ (2020年5月30日 22時) (レス) id: a530807534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴 | 作成日時：2020年5月30日 17時
