どんなあなたも好き。3

◆＿＿両下肢麻痺 hk ページ24

※「高」表記

side taiga



うちの中学校の通学路は、控えめに言ってひどい。
家から東の方向に歩く朝は、つまり朝日に向かって歩くし。
帰り道は西向きで、夕日の照りつけ方は容赦がない。

中三の夏、この日も朝日とにらめっこしながら登校していた。
最近は隣に、片割れがいない。

「大我！おはよどんな顔して歩いてんだよ」
「まっぶしいもんだって。おはよう高地」

去年まで同じクラスだった高地。
交差点のところで合流した。

「大我のクラス、小テストもうやった？英語」
「やったよ、散々だった」
「まぁ、お前はそうだろうな。笑
……てか、北斗は？」
「ああ、北斗ねぇ」

双子の弟 北斗。
毎朝一緒に登校するのがルーティンなのにさ。
最近は、『先行っといて』なんて言って
なんだか俺を突き放すような。

「へぇ、そっか。
あいつの歩く速さ考えたら、ちょっともう遅刻なんじゃないの」
「うん、遅刻。
昨日も一昨日も、間に合ってないんだよね。」

なんかあった？そう聞いても
『なんもないよ』の一点張り。

両親は共働きで俺達よりも先に家を出るから、
このことを知ってるのは俺だけで。

元々口数の少ない同士だし
どうしてやったらいいか、俺はわからずにいた。

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