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君のいなくなった秋は、思っていたよりも長かった。
復職して慌ただしい毎日を過ごしても、北斗にまた会える日が来るわけじゃないから。

ちゃんと天国にいけたかな、って
君を想って心が温かくなる日もあれば、君のことを考えると息が苦しくなって、涙が溢れ出す日もある。



そんな風にして過ごした季節もようやく表情を変えて
カレンダーは最後のひと月を知らせた。


夕方の通勤ラッシュに揉まれながら最寄り駅で下車したら
コートのポケットに両手をしまって、家路を急ぐ。


白い息を吐きながら、ダイヤルを回したポスト
新聞やチラシと一緒に、厚みのある小さな封筒が入っていた。


取り出すとそこには、見覚えのあるホテルの名前が書かれてあった。
…君と、旅の最後を過ごしたその場所だった。

「へっ…?」

俺は家の中に入ると、着ていたコートも脱がずにその封を開けた。
心臓の音が、まるで秒針を巻き戻すみたいに鳴っている。

手書きで書かれた小さなメモ書きは、
ホテルマンの田中さんからの手紙だった。


“ 京本様。
ご無沙汰しております。田中です。
北斗さんにお願いされていたものを、お送り致します。

本日がお誕生日なのですね。おめでとうございます。
どうかお身体にお気をつけくださいね。”


「いつの間にっ…」

君のことで頭がいっぱいで、今日が誕生日だなんて忘れていた。
壁に貼ったカレンダーを確認しようとしても、涙が邪魔をしてうまく読めない。

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(プロフ) - 名前しずくさん» あとがきまで読んでくださったんですね(^^) 2人はこれからもお互いを想いやっているはずです…! 長らくのご愛読、ありがとうございました! (2021年10月5日 19時) (レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
名前しずく(プロフ) - 金平糖を贈る意味がとっても素敵で、お話にも合っているなあと感じました。今までお疲れ様でした。 (2021年10月4日 9時) (レス) @page44 id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年10月21日 20時

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