キミを守る~yuta.j~

124~勇太side~ ページ26

『分かった。
ただ１ヶ月欲しい』



俺はこうする事しかできない。





｢そうね、直ぐに離すのは酷よね。
なら…9月19日まで。20日が私の誕生日なの。
誕生日にあなたと付き合えるって幸せよね｣







喜んでいる相川を見て本気で殴りたいと思った。







『チッ…』








舌打ちだけで殴りたいと思う気分を抑え込む。







『クソっ…』







俺とAの関係にタイムリミットが着いてしまった。








｢もし、破ったりしたらどうなるか分かりますよね？
別れた後も会うなんてもちろんダメですよ？
この事、人に言うのもダメです。
私の彼氏として居てくれなくなるのもダメです。
私を愛さないと｣






｢彼女はどうなりますかね｣






『別れればこいつは関係ないだろ！！』





｢初めに言いましたよね
日向Aは人質だと｣






『チッ、クソっ！』







ガッシャーン！！






椅子を蹴り飛ばす。



｢それではジンくん

誕生日からよろしくお願いしますね

恋人として｣


そう言って出ていってしまった。



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家に帰り、シャワーを浴びる。



『くそっ…』





Aの顔を見れば涙が出てくる。





こんなにも好きなやつと後１ヶ月も居れない。





凄く苦労して手に入れたこの子を手放さないといけない。





そして、好きでもないやつの隣にいなければならない。





そう思うと涙が止まらない。






でもAを傷つけないため。







『１ヶ月…たくさん愛し合おう
ほんの少しだけでも後悔を減らすために』






俺はそう決めた。







『ふふっ、勇太！これ面白いよ！
アイス食べながら見ようよ！！』







「あぁ、ちょっと待ってて」







この笑顔をどうしても守りたいんだ。







「A、愛してるよ」







『ふふっ、私も！大好きだよ？』






【愛してる】を恥ずかしがって言えない代わりの【大好き】を後何回聞けるのだろうか。






チュッ





あと何回Aの唇に触れることができるのだろうか。

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