120~相川side~ ページ22
ジンくんの彼女の印象は見た目普通の子。
特別可愛いわけでもない。
特別スタイルがいいわけではない。
それなのにジンくんはこの人を選んだ。
そして、この人の事になると幸せで、愛でいっぱいの表情をしている。
ただ今の彼女は彼の隣では見たことの無いほど冷たい目をしていた。
纏う雰囲気も黒く。
そんな彼女に見られると恐怖が出てくる。
今の空気は完全に彼女が支配している。
そのくらい彼女は強そうだった。
私より下なはず。歳もスペックも。
それなのに押されてしまっている自分がいる。
それでも彼女にのまれずにここに居れるのは、
彼女に対しての苛立ちが大きかったから。
彼女はジンくんのであろうシャツに身を包み、そこから見える肌には彼が付けたであろう華が所狭しと咲いていたから。
誰がどう見ても愛されてるってわかる。
普通の人なら引いてしまうんじゃないかって程に。
それを見せつけるかのように、
「勇太関連の話でしょう?」
「勇太が私を見つけてくれたから?」
「好きにすればいいわ
私が傷つけられようが私は興味ないわ」
感情的になる私と淡々と答える彼女。
彼女の言葉には自信と彼に対する信頼。
勇太は私のものって感じがバンバンでていた。
腹が立ち、余裕ぶっこいてるこの女を無茶苦茶に壊したくなり。
『だったらそういう事で』
と言って帰ろうとした。
早く壊したい。
準備しなくては…
「まって」
彼女の少し低めの声が私の耳に入る。
声の方を見ると、彼女は長い髪の毛を邪魔そうに動かす。
そこから香るジンくんと同じ匂い。
それすらに苛立ちが隠せない。
「あなたが何をしようが勇太の心は私から動くことはないわ?
例え離れることになったとしても。
虚しくなる前にやめた方がいいわよ?」
それじゃあと踵を返して帰っていった。
最後の最後まで腹立つやつ。
まぁいい。
『もしもし、お願いがあるの』
私は彼女を壊すため、ジンくんを手に入れるため、ボタンを押した。
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いおこたん - もう、初心者レベル越えてる!! 久々に最初から読んだけど、感動しかないです。これからも、頑張ってください♪ (2020年1月14日 23時) (レス) id: e3a0059b0a (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - yycyttreさん» お待たせ致しました!!読んでくれてありがとうございます! (2019年11月1日 10時) (レス) id: 1065581986 (このIDを非表示/違反報告)
yycyttre(プロフ) - めっちゃ続き気になります!更新待ってます!! (2019年11月1日 1時) (レス) id: e5d647a456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハルヒ | 作成日時:2019年10月22日 9時