103度目の人生 ページ17
冨岡の肌がビリビリとする程の叫び声に、息を飲んだ。
冨｢奪うか奪われるかの時に主導権を握れない弱者が、妹を治す？元凶を見つける？笑止千万!!｣
あまりの気迫に私を含めこの場にいる誰もが動けない。
冨｢弱者にはなんの権利も選択肢もない。悉く力で強者にねじ伏せられるのみ!!妹を治す方法は鬼なら知っているかもしれない。
だが、鬼共がお前の意思や願いを尊重してくれると思うなよ。当然俺もお前を尊重しない。それが現実だ。｣
冨岡の腕の中にいる禰豆子は今も唸り声を上げ、暴れている。
何も、何もできない悔しい現状に私は唇を噛む。
冨｢なぜ、さっきお前は妹に覆いかぶさった。あんなことで守ったつもりか!?なぜ、斧を振らなかった。なぜ、俺に背中を見せた!!
そのしくじりで妹を取られている。お前ごと妹を串刺しにしても良かったんだぞ｣
冨岡は炭治郎へと向けた刀の先を禰豆子へと向けた。
そして、苦しそうな、悲しそうなそんな顔をしながら禰豆子その刀で刺そうとした。
私はハッとして、その場を直ぐに動き、冨岡の刀を握った。
ポタッポタッと私の手から血が流れ落ちてくる。
『あ、やば。稀血じゃなかった？私って。』
禰豆子を見れば、その視線は私の血へと注がれ、涎を垂れ流していた。
『冨岡さんが禰豆子ちゃん刺そうとするからぁ(泣)私禰豆子ちゃんに狙われてる、絶対その手離さないで下さい()』
冨｢……Aはその手を離して離れろ｣
『離したら、禰豆子ちゃんの事殺すでしょ？させないよ？』
ニコッと笑えば冨岡から蹴られた。
炭治郎は同時に石を投げつける。
私は冨岡の割とマジな蹴りに吹っ飛んでいく。
『やばい、マジで何も出来てないんだが……原作の流れ的には変わってなさそうで安心したわ…』
雪に埋もれながら、戦う2人を眺める。
『そう言えばここ、木とか何にもないけど、炭治郎くんってばどうやって冨岡さんに攻撃するんだろ……』
ぼけーっとそんなことを考えていれば、炭治郎は自身の足元の雪を蹴りあげ、目くらましをした。
そして、雪が舞い、視界が悪くなったところに石を投げる。
冨岡は一瞬、それに気を取られる。
炭治郎がその隙に上へと斧を投げた。
『(あぁ、良かった。ちゃんと進んでくれた。)』
私は立ち上がり、冨岡の元へと歩き始める。
その間に炭治郎が倒される。
私は自分の刀を抜くと、上から飛んできていた斧を地面へと落とした。
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七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白かったです。次の更新も頑張ってください。楽しみに待っています！ (2022年10月30日 18時) (
レス) @page21 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
三日月夜桜 - 面白かったです。次の更新頑張ってください。楽しみです。応援してます。 (2022年6月4日 19時) (レス) @page19 id: d397310001 (このIDを非表示/違反報告)
時雨坂 - 続編おめでとうございます！更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！頑張ってください！(*≧∀≦*) (2021年1月27日 21時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麗夜 | 作成日時：2020年8月26日 0時
