98度目の人生 ページ12
茂｢なっ、なっ、あの鴉話せるの！？｣
竹雄くんの隣にいた茂くんが目を見開いて、私へと詰め寄る。
『うん、頭いいからね((』
すげぇと白い息を吐いた茂くんを見て、私は笑ってとりあえず中へ入ろうか、と声を掛ける。
茂くん達は頷いて素直に家へと戻ってくれる。
私も後を追うようにして、中へと入っていく。
しかし、ふと背後の気配に気づき、刀へと手を伸ばす。
『皆伏せて！！』
茂くんは竹雄くんに頭を抑えられて伏せ、葵枝さんは近くにいた花子ちゃんを抱き寄せる。
私は近くの六太くんを抱っこした禰豆子ちゃんを庇いながら、あいつの攻撃を防ぐ。
『無惨、戸ぐらい叩け。』
鬼｢あの時の童か。｣
無惨は冷たい瞳で此方を向いて、楽しそうに喉を鳴らしながら笑った。
『何がおかしい。』
鬼｢強くなり、随分鬼を殺したな。よし、お前を鬼にすることにした。｣
『鬼にならないって言わなかったっけ？』
知らんな、そう言った無惨は笑い攻撃を放った。
『つっ、流石に重たいな…皆は避難して、此奴超危険人物だから。』
刀で受けた攻撃は両手がじんじんと痺れるような感覚がする。
私の声に反応した葵枝さんが花子ちゃんを抱えて、皆に逃げるように声を掛ける。
竹雄くんは茂くんを引っ張り、禰豆子ちゃんは六太くんを抱っこして、逃げていく。
『おっと、そっちはいいだろ？今は私が相手なんだ。』
無惨が逃げる彼女らに攻撃を仕掛けた為、急いで間に入る。
鬼｢チッ、まぁ良い。｣
『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃』
ドォンッという雷が落ちたような音がして、無惨が外へと飛ばされる。
『家、壊したら大変じゃん？だから、外で戦おう？』
ヘラヘラと笑いながら刀を構える。
目の前の無惨は切れた腹を見て、ふっと笑った。
そして幾つもの管のような触手を出した無惨が、それを一斉に私へと向ける。
『水の呼吸 参ノ型 流流舞い』
無数の攻撃を参ノ型で避けていく。
『(無惨の攻撃はひとつも掠ってはいけない。一つ一つの攻撃に血が含まれている…)』
スンッと香る血の匂いに冷や汗が垂れる。
足元が慣れない雪のせいで、いつもよりも動きが鈍る。
ぎりぎりで交わしていく攻撃。
近くまで間合いを詰めようにも、交わすことで精一杯で無惨へと近づけない。
そんなもどかしさにイラつきながら、幾つもの呼吸、型を繰り返していく。
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七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白かったです。次の更新も頑張ってください。楽しみに待っています！ (2022年10月30日 18時) (
レス) @page21 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
三日月夜桜 - 面白かったです。次の更新頑張ってください。楽しみです。応援してます。 (2022年6月4日 19時) (レス) @page19 id: d397310001 (このIDを非表示/違反報告)
時雨坂 - 続編おめでとうございます！更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！頑張ってください！(*≧∀≦*) (2021年1月27日 21時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麗夜 | 作成日時：2020年8月26日 0時
