68度目の人生 ページ26
『御館様…私、話しておかなければならないことがあります。』
御館様に話しておかなければならないこと…それは自身の身体が不死であるということ。
『…私は殺されても死なないです。痛覚も、ありません…』
御館様はそんな私の言葉に目を見開いた。
お「鬼化という訳では無いようだね。」
『はい、詳細は私にも分かりません。けれど、鬼殺隊に入って直ぐにこのことに気づきました。』
さすがに転生トリップのことは言えないし、神様のことも言えない。
とりあえず不死という力についてだけ、嘘を混じえながら話していく。
『怪我をしてもいつの間にか治るのです。ですが今回、何らかの薬を飲まされそのせいで回復速度が著しく落ちました。』
軽く自身の指先に日輪刀で怪我を作る。
それは直ぐに治っていき、血がついているだけの状態になる。
『炎柱様は見ておられると思うのですが、私は致死量を超えた血を流していたはずなんです。』
先程の指の怪我とその話で御館様に自身が不死であることを確証づけさせる。
『お分かりいただけましたか?私は死なないんです。だから、私なら無惨を倒せます。腕や足を失ってもまた生えるか、くっつきますし。腹に穴を空けられたら、塞がります。』
だからと続ける。
『私を鬼殺隊に入れた御館様の選択肢は間違って等おられません。なので、そんなに悲しい顔をしないでください。私は今ここに入れて幸せなんですから。』
それをみせながら微笑めば、御館様は困ったように笑われる。
お「君には私の考えがお見通しなんだね…そうだよ、私はずっと考えていた。Aが声を失ったと聞いた日からずっと。」
まだ幼い私に柱という階級を与えるのは間違っていたのではないか、そもそも鬼殺隊に入れたのが間違えだったのでは?と御館様は言う。
お「もし、鬼殺隊に入らなければ君が声を失うことはなかっただろう。Aは誰よりも優しい鬼狩りだからね、きっと私はこうなる事をどこかで見越していたんだよ。」
御館様は泣きそうな顔でそう仰る。
お「誰かを救えなかったAが苦しい思いをするのを心のどこかで分かっていた。それでも…私はAを鬼殺隊に入れ、柱の階級を与えた。」
私は鬼よりも非道いなぁと俯いてしまった御館様。
『(御館様が気にすることじゃない…私は…御館様に反対されても鬼を狩っていた、そう伝えたいのに、なんで声が出ないの…?)』
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鮭大根(プロフ) - ウェーイ( ・∇・)面白いです!!これからも頑張って下さい!!応援してます!!続き楽しみ〜(´-ω-`)ムフフ (2020年8月23日 2時) (レス) id: ef1af2de4e (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - や、やばい!続きのお恵みをっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2020年8月23日 0時) (レス) id: 11a9c593be (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - 絢さん» ありがとうございます!頑張って続き書いていきますね! (2020年7月5日 23時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
絢 - この話すっごく好きです!続きも楽しみにしてます! (2020年7月1日 17時) (レス) id: 456d2e2709 (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - つむ狐さん» ありがとうございます!更新停止してしまっていましたが、これからまた更新を頑張っていくのでお願いします! (2020年6月23日 5時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麗夜 | 作成日時:2020年5月13日 20時