62度目の人生 ページ19
『(しまった…これは、夕餉の中に薬を盛られたな……)』
そのことに気づいたのは風呂に入ってからだった。
重くなる瞼にフラフラする体。
きっと大量の睡眠薬でも混ぜたのだろう。
私は襲いくる睡魔に抗いきれず、そのまま廊下で倒れ込んでしまった。
次に目を覚ましたのは座敷牢だった。
『(ここは……刀がない？面は？それに隊服も…)』
最悪の状況じゃあないか…
薬を盛られ、隊服を剥ぎ取られ、今は死人が着るような真っ白な死装束を纏っていた。
そして息を吸えば嫌でも臭ってくる油の匂い。
まだ薬の抜けきらない身体を起こす。
『(え、誰…人？？)』
起き上がった私は辺りを見渡し、座敷牢の隅の方で縮こまって座っている髪の長い子供を見つける。
『(あぁー、こういう時に声出ないのまじで不便…座敷牢だし地面に何か書くことも出来ん！！)』
私はそーっと子供に近づいていく。
子供はそんな私に気づいたのか弾けるように顔を上げて私を睨みつける。
その目を見て私は固まる。
子供の…否彼の目は左右色が異なり、その色は黄色と水色でその2つの色はこの世界のあるキャラクターと被る色である。
そしてここまで来るに至った経緯を思い出せば、そのキャラクターの幼少期の生い立ちに出てくるものとマッチしているものがあるのだ。
『(もしかしなくても、伊黒小芭内…？)』
私はとりあえずジェスチャーで口の前で手をぐっぱーぐっぱーと繰り返し、その後に手を交差させる。
伊黒さんは私のジェスチャーの意味を察したのか少し警戒を薄める。
それを確認し、伊黒さんの手をとって文字を書く。
伊黒さんは初め小刻みに震えながら私を睨んでいたが、私が文字を書いているのに気づいたようで睨むのをやめてくれた。
伊「話さないじゃなくて話せないのか…？」
それにコクリと頷く。
伊「そうか…ここの奴らは汚い人間しかいない…多分お前は上のヤツらに身ぐるみを剥がされたんだろう…」
まぁ状況的にそうだろうな…
というか伊黒さん文字分かったの…？
生まれた時から閉じ込められてるっていうからわかんないかと思った…(じゃあなんで手に書いたんだ！！)
『(とまぁ、茶番は置いといて…さて、ここからどう抜け出すかね…抜け出してもここにいる人が死ぬ。なんなら刀がない私じゃああの鬼には対抗出来ないだろ…)』
私はどうしようもないこの状況を打破するための作戦を考え続けた。
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鮭大根(プロフ) - ｳｪｰｲ( ・∇・)面白いです！！これからも頑張って下さい！！応援してます！！続き楽しみ〜(´-ω-`)ﾑﾌﾌ (2020年8月23日 2時) (
レス) id: ef1af2de4e (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - や、やばい！続きのお恵みをっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2020年8月23日 0時) (レス) id: 11a9c593be (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - 絢さん» ありがとうございます！頑張って続き書いていきますね！ (2020年7月5日 23時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
絢 - この話すっごく好きです！続きも楽しみにしてます！ (2020年7月1日 17時) (レス) id: 456d2e2709 (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - つむ狐さん» ありがとうございます！更新停止してしまっていましたが、これからまた更新を頑張っていくのでお願いします！ (2020年6月23日 5時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麗夜 | 作成日時：2020年5月13日 20時
