鬼殺隊の史上最年少の天才剣士は、トリップ少女/弐

59度目の人生 ページ17

また同じ夢を見ていた。


何度も見る、前世の夢。


この世界に来てから、神様の思惑通りか感情が少しずつ戻ってきて心が弱ってしまった。


だからこの悪夢は私(・)が私を前世のように何も感じないような強い子に戻すために見せ続けてるんだと思う。



でもきっと前の私(・)に戻ったらダメな気がする。



そんな曖昧な思いで弱りきった自分をなんとかつなぎ止めてきた。



だから、志津さんが私を庇って前に出た時それが切れてしまったんだと思う。



悲鳴嶼さんの声を聞いて目を開けた世界は前と同じ映像を見ているような光景が広がっていた。



私とそれ以外の世界。



私は何も感じないし、私以外の何を見ても何も感じない。



初めに会ったのが悲鳴嶼さんで良かった。



きっと今私は笑えていない。


こんな顔子供達には見せれない。


それに御館様にも。



私は遠くなっていく悲鳴嶼さんを観ながら手を振った。



『(あぁ、手を振っても悲鳴嶼さんには見えてないんだっけ…なら意味無いか…)』

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