鬼殺隊の史上最年少の天才剣士は、トリップ少女/弐

45度目の人生 ページ2

前世から見続けるこの悪夢は、今世でも私を苦しめる。


今日くらい、こんなに楽しかった今日くらい…幸せな夢を見せてくれてもいいじゃないか。


そう思っても夢はきっと変わらない。


私は結局2、3時間しか眠れなかった。


子供たちを起こさないように広間を抜け、袴に着替え直す。



道場へと行こうと足を進めるが途中で風呂場へと足を運ぶことにした。



稽古のあとは汗をかくし、終わった後に流したい。



湯船に2、3時間後にはいっぱいになるよう蛇口を捻っておく。



それから道場へと行き、竹刀をとり素振りを行う。


一通り覚えている型を出し続けて1時間。


切れる息に気づき、刀を振るう手を止める。


『(たった1時間でこのザマ？こんなんじゃ、無惨どころかみんなを守ることも出来ない…)』



焦り、怒り、不安、後悔、迷い…



色々な感情が私の背を引っ張る。



重たい。



息が苦しい。




動けない。




そんな重い感情達に足を奪われ、転けでもしたらわたしはきっと起き上がれなくなる。



だから確実に、その重たい1歩を1歩ずつ進めていかなくては行けない。





私は先程よりも重たくなった竹刀をもって、素振りを再開した。

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