出久の双子の姉は愛されたい2 (ページ22)

今日:13 hit、昨日:16 hit、合計:695,702 hit

愛されたい65 ページ22

『私は…あなたを超して母さんに見てもらう。

そして私が出久をNo.1ヒーローになんてさせてあげない。

…私がNo.1ヒーローの座を手に入れるから。』

出久は困惑したようにこちらを見る。

『なに。出久。あなたまさか、何も知らない、なんて言わないよね？』

どういうこと？とこちらを見る出久に詰め寄り、胸元を指で指す。

まっすぐ伸びた人差し指は出久に触れ、その鍛えられた体をぐっと押す。

『私が…！私が母さんに見てもらえないのってあんたが無個性だからだったんだけど？？それなのに、今更個性を讓渡って…』

そんな虫のいい話がある！？とついには胸ぐらを掴んでしまう。

『私は！あんたが無個性だからって愛してもらえなくて。でも私には個性があるんだ、出久が欲しかったものがあるんだって。』

出｢A…おちつ、いて…｣

『だから我慢してきた。なのに、どうして？愛を沢山貰ってきたのに、あなたは今自分が欲しかったものを貰った。それも憧れの人に…』

″わたしは1番に望むものさえ手に入れられないのに。″

『私は…どれだけ我慢すればいいのよ…!!全部出久にとられてきた…でも可愛い弟のためならって我慢できた…なのに、どうして？』

出｢A…｣

『私から奪うのじゃあ足りなかったの？ねぇ、返してよ…今まで譲ってきたもの。お母さんからの愛も私に分けてよ…個性があるんでしょ？なら私にも…』

そう言ったところで体に衝撃が走る。

次には手や足がじんじんとし始め、手を見れば血がうっすらと滲んでいる。

『はぁ、はぁ、はぁ…かあさ…？なんで？そいつはもう、無個性じゃないんだよ？？』

目の前にいる鬼のような形相をした、冷たい目の母を見上げる。

引｢出久に何かされてないかと心配で来てみれば…！何してるの！私の子供に！！｣

『は…？』

引｢貴方は私達の子供じゃないの。それなのに、今まで育ててもらった恩を仇で返すなんてどうかしてるわ！｣

母の口から次々と紡がれる言葉に頭を殴られる。

『な…んで？私は…？』

引｢知らないわよ！！気づいたら出久の隣に″この子を育ててください。捨てたり育児放棄をした場合、あなたの子供を殺します。″っていう置き手紙と一緒に寝ていたのよ！｣

本当になんなの貴方！？と涙目になりながらキレる母さん。

あれ、母さんじゃあないのか…

なら、本当のお母さんは？

ねぇ、私は…だれなの？