出久の双子の姉は愛されたい2 (ページ15)

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愛されたい59 ページ15

『…もしもし……』

引「…なに？」

出久をそのまま家に色々な理由で家に連れてきたはいいが、お母さんに何も言っていない。

だから電話をかけたがやはり向こう側の声はとても冷たくて、手が震えた。

『えっと、出久…』

引「出久がなに！？どうしたの！？ねぇ！何したのよ！！」

出久の名前を出した瞬間これだ。

ヒスを起こしたように出久、出久と繰り返す。

ねぇ、何したのって…私が出久になにかすると思ってるの？お母さん。

泣きそうになったが堪えて、お母さんにまた声をかける。

『お、落ち着いて…何もして無くはないけど、大丈夫だから…』

落ち着かせる為に言った言葉は震えていた。

引「何もして無くはないってなに？どういうこと？ねぇ？答えなさい！！」

答える暇もないように問い詰めるお母さんに体を震わせる。

暴力、は振るわれたことない。けれど、体が覚えているから…とても怖かった。

『出久…個性が出たみたい。それで急だったのかな…個性が身体に合わずに怪我をしたから私の個性で治癒したの。』

引「個性が…？」

正直に話せばお母さんは驚きで弱々しく言葉を言う。

『治癒したのはいいんだけど、もし本当に体にあっていない個性ならお母さんじゃ出久の個性をとめられない。だから、経過観察として私の家に連れてきた…』

引「あなたが、出久を？出久をあなたのうちに？……今すぐ返して！！」

何を思ったのかお母さんはまたヒスを起こして私に出久を返してと言い続ける。

なんで？たった一人の弟なんだよ？

家に上げてもいいじゃない…

それにやましいことがあるわけじゃない、ただ出久の状態がわからない今、家に返してもしもの事があったら？

そう考えると出久を家に返せなかった。

『な、何もしないから！！出久の今の状態が分からないのって危ないから…今日だけでも、許して、お母さん…』