愛を聞かせて Reo.S (1)

Episode 1 ページ2

You side









*






この会社で働きはじめて今日で丁度、3年目。


この会社ではまず、

入社2年間先輩や人事部の方に

何をすればいいか徹底的に教えられる。


そして、3年目にどこの部署かを振り分けられる。



今日は部署の振り分けを中務さんが発表する日。





亜「いや〜長かったな2年間」


　「ほんとだよね、新入社員扱いも今日で終わりだ〜」





隣のデスクの白濱くん。

同期でたくさんお世話になった。






亜「また同期全員で集まろうぜ」


　「じゃあ白濱くんが幹事ね」


亜「マジ？」


　「当たり前でしょ」


亜「また美味しい所みつけたら教える」


　「わ〜い！待ってる！」


亜「おう！」


裕「皆さん、おはようございます。皆さんの活躍を間近で2年間拝見させていただきました。本当にお疲れさまでした。今回は中務と隣の佐野社長と振り分けさせていただきましたので今から発表させていただきます。」





人事部の中務さん。

優しくてかっこよくて面白くて。

地道な作業をする事が苦手な私が

2年間頑張れたのは中務さん

キラキラな笑顔のおかげだったな…。


思い出を振り返りながら

自分にお疲れ様！と心のなかで呟いた。





裕「まずは…数原くん、橘くんは営業部。 関口くん、白濱くんは営業企画部。 向井くん、桐谷くんは設計部。 石橋さん、藤井さん、星野さん、片山さんは総務部。以上です…」





…え？終わり？？う、うそ、まさか、まさかのクビ？？！

ずっと一生懸命私なりに頑張って
コツコツ真面目に取り組んだのに？！

名前が入ってない？！！


なんで…なんで？


泣きそうになりながら中務さんのお話

聞こうとするけど全然聞き取れない。


あたふたしてると

ポンポンと後ろから肩を叩かれた。





亜「Aさ、呼ばれた？」


　「よ、呼ばれてないの」


亜「あの、すみません！Aよばれてないと思うんですけど」





同期の皆が呼ばれたのに…

なんで私だけ呼ばれないのかな

と思ってくれた気が利く白濱くん。


そしたら隣にいる佐野社長が口を開く。





玲『Aは少しここに残って』


　「はい！」





か、かっこいい！

文字ではきっと伝わらないけど

優しい声で微笑みながらそう言われた。

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