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鬼か人か ページ7

匂いが、溢れ出す。

痛い、悲しい、辛い、寒い、憎い、憎い、憎い、憎い!!!

そんな強い感情の匂いが、彼女からはしていた。

「鬼、鬼、どこ?どこにいるの?」

虚ろな目でそう呟きながら、ふらりふらりと炭治郎に歩み寄る。

そして、炭治郎の背中にある、大箱を見つめた。

「そこね。」

Aが刀を抜いた瞬間、姿を消した。

(後ろだっ!!)

急いで体を翻し、刀を構える。

ガキンッ、と金属同士のぶつかる音。

なんとかAの刃を受け切る。が、やはり一撃が重い。

人間だと叫ぶ彼女だが、やはりその力、その速さはおよそ人間のものではなかった。

「っ、!!」

ガンッと大きな音を立て、Aによって弾き飛ばされる。

すかさず態勢を立て直す。Aはそんな炭治郎を暗い瞳で見つめていた。

「鬼を、出しなさい。」

冷たい声でそういった。身を硬くして、妹も守るために刀を構える炭治郎に、Aは続けた。

「そう。ならあなたも....鬼ね...。」

そういって、Aは自分の腕を刀で斬った。

「っ!!!」

ボタボタと、真っ赤な血が床を染める。

自傷行為にも見えるそれの真意は一体なんなのか、炭治郎にはわからなかった。

(それでも、戦わなきゃ!)

「っ、行くぞ!」

床を踏みしめ、炭治郎は飛んだ。

(全集中・水の呼吸 壱ノ型!!!)

「水面斬り!!」

トンッと軽い音を立て、月宮Aは素早く炭治郎の攻撃を避けた。

それにひるまず、炭治郎は素早く次の技を繰り出す。

(水の呼吸 参ノ型! 流流舞い!!!)

素早い炭治郎の攻撃も、月宮はするりとかわした。

しかしかわすばかりで攻撃してくることもない。

(何故?)

トンッと軽やかに柱に飛び移り、炭治郎を見下ろす月宮に、焦る炭治郎。

(いやな予感がする。)

正体不明の不快感の中でも、妹を守るためには退けない。

(水の呼吸 弐ノ型!)

A目掛けて、炭治郎も飛ぶ。

それを見て、Aはただ笑った。

(水車!!!)

バキンッと派手な音を立て、炭治郎の刀は柱に傷をつけた。

しかし、肝心のAはそれを避け、炭治郎の上を飛び越えていた。

炭治郎もそれを追うように、柱を蹴って地面へと着地した。

その瞬間だった。炭治郎が足元の異変に気がついたのは。

『血陣 壱ノ月』

Aの声に連動して、光り輝く血は、Aの血だった。

それはまるで魔法陣のように、炭治郎を取り囲んでいた。

睦月(むすびつき)

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フジッピー(プロフ) - かなとさん» すみません。言われるまで気が付きませんでした。ありがとうございます。 (2019年9月19日 0時) (レス) id: 7e2904e8b4 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。違反だという意識はないんですか? (2019年9月18日 12時) (レス) id: bb9d67c977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フジッピー | 作成日時:2019年9月18日 12時

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