袋 ページ13
「これ、切ってください。」
「は、はい!」
「禰豆子さん、そこの藤色の布を。」
「うー!」
月宮が次々と竃門兄弟に指示を飛ばす。
炭治郎は月宮に聞いた。
「あの、何を作ってるんですか?」
「袋。」
冷たくそう言い放った炭治郎は困った顔でまた聞いた。
「ふ、袋って?」
「鬼避けだったり、守りだったり、いろいろあります。」
「鬼避け?」
鬼避けの袋には、聞き覚えがあった。
「鬼避けって、藤の香りがするあの?」
そう聞くと、月宮は頷いた。
「全部の工程を一人でやっているわけではないけど、形になるまでは。」
そう言われて思わず月宮の手元を見ると、色や模様はすこし違うが、見覚えのある袋の形をしていた。
「へ〜、月宮さんが作ってたんですね!」
「別に全部の袋をうちで作ってるわけじゃない。うちはどっちかっていうとこっちの方が主流。」
そういって、月宮さんは懐から別の袋を取り出した。鬼避けとは違い、紺の袋に金の糸で月と稲の紋の刺繍が施されている。
「それは?」
「お守り。私の術がかかってるの。こっちは鬼避けというより、厄除け。」
「へー!」
見ると禰豆子も興味津々といった表情でお守りを見つめていた。
「.....あげるよ。」
「えっ?!」
炭治郎が驚いて声を上げる。月宮ははい、とお守りを禰豆子に与えていた。
「君も。」
「え、でも.....。」
いいから、と無理やり炭治郎に握らせる。手元のお守りをまじまじと見つめていると、袋の口を閉じている紐に見覚えがあることに気がついた。
「この、紐って.....。」
「.......。」
月宮は、ニヤリと笑った。
「この紐はね。」
(ま、まさか....血鬼術....?!)
「髪留めと同じ紐なんだ。」
「....え?」
そういって月宮は自分の髪留めを指差した。
ぽかんとする炭治郎に、月宮は笑った。
「私の術だと思った?」
愉快そうに笑う月宮に、炭治郎は顔を赤くした。
3人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フジッピー(プロフ) - かなとさん» すみません。言われるまで気が付きませんでした。ありがとうございます。 (2019年9月19日 0時) (レス) id: 7e2904e8b4 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。違反だという意識はないんですか? (2019年9月18日 12時) (レス) id: bb9d67c977 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:フジッピー | 作成日時:2019年9月18日 12時