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最後の夜 ページ15

ビチャリ、飛び散った血が、地面に赤い花を咲かせた。

しかしそれもすぐに灰となって消えていく。

私は、振り返って一緒に戦ってくれた二人に礼を言った。

「ありがとう、炭治郎さん、禰豆子さん。おかげでここら一帯の鬼は殲滅できました。」

「よかった。これでしばらくは村の人も安心して暮らせますね。」

そう言って炭治郎は笑った。

二人のおかげで、鬼が予定よりも早く殲滅できた。

ここでの仕事も、早めにケリがつきそうだ。

「本当にありがとう。おっと。」

突然禰豆子さんに抱きつかれた。撫でて欲しいのかと思い、頭を撫でる。

禰豆子さんはぐりぐりと頭を私に押し付けた。

「ね、禰豆子!」

「いいんです、炭治郎さん。」

幼い子供の甘え方だ。戦えるとはいえ、やっぱりこの子も子供なのだ。甘えたい時もあるだろう。

「甘やかせるうちに、甘やかしておかないと。」

いつまでもこうして触れられるわけではないんだから。

「明日にはここを出るんでしょう?なら、最後にうちで食事でもしていったら?」

「いいんですか?」

「もちろん。出雲さんも最後に挨拶がしたいでしょうし。」

そのつもりで出雲さんが食事を用意していることも、私は知っていた。

出雲さんも嬉しいんだろう。自分が作った食事を心から美味しそうに食べるお客さんがいて。

「行こうか。」

私は二人を連れて、家へ帰った。









夕食を終え、夜もすっかり更けた頃、私は部屋から抜け出し、敷地の中を歩いていた。

すると、見覚えのある後ろ姿を見つけた。

「こんなところでなにをしているの、禰豆子さん。」

私の声に、彼女が振り返る。

竹を噛んでいる彼女は言葉を発しないけれど、無垢な瞳から悪気があるわけでないのはわかった。

「眠れないの?なら、一緒にお散歩でもどう?」

「う。」

その返事を肯定とみなした私は彼女の手を引いて、社の奥へと進んでいった。

この社の裏手には、竹林がある。私はそこで昔祖父が作った簡易的な休憩所に彼女を案内した。

休憩所と言っても、竹でできた椅子と小さな机があるだけのものだ。

私はそこに彼女を座らせ、隣に座った。

風が、頬を撫でた。

「風出てきたね。寒くはない?」

「う。」

寒そうな様子はないので、私は安心した。

上を見上げると、たくさんの竹がまっすぐ、月に手を伸ばしていた。

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フジッピー(プロフ) - かなとさん» すみません。言われるまで気が付きませんでした。ありがとうございます。 (2019年9月19日 0時) (レス) id: 7e2904e8b4 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。違反だという意識はないんですか? (2019年9月18日 12時) (レス) id: bb9d67c977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フジッピー | 作成日時:2019年9月18日 12時

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