・ ページ15
·
シワ一つないおろしたてのスーツに身を包み、六本木のBARのカウンターに腰掛ける三途。
いつもは比較的適当にセットしている髪も、今日はしっかり3時間鏡の前で整えた。
ちなみにその一部始終を見ていた灰谷兄弟は
「なぁ、アイツいつもと髪型同じじゃね？」
「それは言わないであげろよ、兄ちゃん。」
という会話を交わしていた。
…幹部様は意外に暇らしい。
そんなこんなで本日、今までの人生で一番と言っても過言ではないほど身なりに気を使った三途は死ぬほど煩く鼓動する心臓を抑えようと、必死に冷静を装っていた。
その時。
ﾁﾘﾝﾁﾘﾝ、と可愛らしい鈴の音と共に一人の女性がBARへと足を踏み入れ、三途に声をかけた。
『こんばんは、三途くん。』
「っこんばんは、リラさん。」
三途の好きな人、女優のリラことAの登場である。
見事に友達となった三途はその後、メッセージアプリで連絡を取り続け、なんと今日。
プライベートで一緒に飲みに行く仲にまで発展したのだ。
長かった、実に長かった。
と言ってもまぁ、1ヶ月程しか経っていないのだが。
『三途くんは、もう頼んだ？』
「はい、もう頼みました。」
『そっか。じゃあ私は、マスターのオススメで。』
「…かしこまりました。」
＿＿＿＿＿
『あの雑誌も買ってくれたの！？
そんなメインで出てなかったのに。』
「いえ、リラさんが出てるものは全て買うって決めてるので。」
『えへ、ありがとね。三途くん。』
くしゃり、と美しい顔を崩して可愛らしい笑顔を見せるAを見て三途の動脈は破裂しそうな程にバクバク動いている。
(あ、むりだ。
俺、今なら後悔なく死ねる。)
なんてお馬鹿なことを考えている三途。
しかしこの後彼に、それ以上の爆弾が落とされる。
『あの、ね。
三途くんに1個お願いがあるんだけど。』
「えっあ、なんですか？」
『その、リラさんって言うのを辞めて欲しいな。
ほら、友達だから芸名じゃなくて名前で呼んで欲しいんだけど…だめかな？』
「いいえ、はいっ！」
『なにそれ、どっちなの？』
三途の奇妙な返事にまた笑うA。
お店に入ってまだ10分。
彼の心臓は、動脈は、破裂せずに済むのだろうか。
梵天No.2の死因がキュンキュン♡による動脈破裂なんて笑えない。
…灰谷蘭は笑いそうだが。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1979人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆんな(プロフ) - 夜中に声出してワロタ...... (2023年1月22日 1時) (
レス) @page6 id: c8a07ba8e1 (このIDを非表示/違反報告)
83EPHNUQX3O3FI8(プロフ) - 友達のあだ名と同じでﾜﾛﾁ┌(´^ω^｀≡´^ω^`)┐ﾜﾛﾁ (2021年11月2日 1時) (レス) @page5 id: 5b2f0bd76c (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - ブフッwwwwwwｶｯｶｯｶwwwも、死ぬwwwwww笑い過ぎて死ぬwwwwww腹痛ぇwww (2021年10月15日 17時) (レス) @page29 id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
az汰(プロフ) - チクチク言葉！梵天チクチク言葉見るだけで心がぴょんぴょん！編集頑張ってください！ (2021年10月5日 21時) (レス) @page25 id: c5bbf3b745 (このIDを非表示/違反報告)
心花(プロフ) - やべぇぇ！！灰谷兄弟の妹って分かった瞬間 発狂が止まらない！！！！ (2021年10月4日 23時) (レス) @page22 id: b923438558 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽにょ | 作成日時：2021年10月3日 19時
