52 JM ページ2
いたよ、と頷くテヒョンに、まじすか。と驚きを隠せていないジョングク。いつもは勘が鋭いなって思うマンネだけど、気づいていなかったのは忙しかったからなのか、テヒョンが上手く仕事と両立していたからなのか。
「どこのグループですか？女優？モデル？」
「うーん、どれも違う。」
「…一般人ですか？」
「そう。日本の普通の子」
「日本！？」
あの日の俺と同じリアクションをするジョングク。ぽかんと口が開きっぱなしで、うさぎっぽさに拍車がかかってる。
「普段会えない時はどうしてるんですか」
「電話してるよ」
「…会話は？」
「日本語で。Aは韓国語話せないから」
ジョングクがテヒョンにしつこいくらい質問攻めする姿を見て、俺はなんとなく、ジョングクの気持ちを察した。多分、テヒョンも気づいてる。
「………俺、あんまり賛成出来ません」
そう言い残してソファから離れていこうとするジョングクを、テヒョンが困ったような声で呼び止めた。
「ジョングガ、」
「俺達、大事な時期ですよ。俺はまだまだ上に行きたい」
「俺もそう思ってるよ」
「っ、仕事のこと、分かってくれる人ならまだしも、なんで…」
「大丈夫。俺が選んだ子だよ。心配しないで」
「…テヒョンイヒョンの負担になります」
あ、と思った。
優しい口調でジョングクを諭そうとしていたテヒョンの醸す雰囲気が、ガラッと変わる。
ジョングガ、とテヒョンの低い声が耳に響いて、俺は顔を覆った。
テヒョンア、かなり怒ってる。
「何も知らないお前に、Aのこと悪く言う資格ない。…気分悪い。出てって」
「……謝る気ないですから」
バタン、と強く閉まったリビングのドア。ぶつかり合う2人を見るのはちょっと久しぶりで、仲裁の言葉を挟むことが出来なかった自分が憎いと思った。
「…ごめんジミナ。完璧巻き込んだ」
こう見えて何事もきちんと周りを見て考えている俺の親友。Aさんのこともジョングクのことも考えての発言だったのはすぐに分かる。
「お前のせいじゃないよ、テヒョンア」
「…うん」
「ただ、ジョングガにも考える時間が必要なんだと思う。そうでしょ？」
「分かってる。…ありがとう、ジミナ」
テヒョンアはこういう所が本当にかっこいいんだよな、なんて思いながら二人で拳を合わせた。
ーーー
第2章スタートです！よろしくお願いします
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1526人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るめ(プロフ) - ジャスミンさん» ジャスミンさん、すごくすごく嬉しいコメントをありがとうございます…！テヒョンの持つふわふわしていて優しい雰囲気で幸せなお話を書きたいと思っていたのでそう言って頂けるとすごく嬉しいです^^！これからもお暇な際にぜひお付き合い下さい！ (2019年10月14日 1時) (
レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
ジャスミン(プロフ) - なんかもう、ずっとずっとこのお話の2人を読んでいたいし 幸せ気持ちになるし何度も何度も読み返しました(;_;) 癒しをありがとうございます更新楽しみにしてます。るめさんの文章力、文才、表現力に乾杯(;_;) (2019年9月28日 2時) (レス) id: a2850f3adc (このIDを非表示/違反報告)
るめ(プロフ) - 千晃さん» 千晃さん、そう言って頂けてすごくすごく嬉しいです^^* まだ少しこの2人のその後のお話は続いて行きますので、よければお付き合いください！コメントありがとうございました！ (2019年6月19日 20時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
千晃(プロフ) - もっとこのお話読んでたいです！！続きも楽しみにしてます！！！！！ (2019年6月17日 17時) (レス) id: 541a949c76 (このIDを非表示/違反報告)
るめ(プロフ) - ねおさん» ありがとうございますーー！！そう言って頂けるのが一番の更新の励みになります！コメントありがとうございました。これからもお暇な時間に読んでやってください♪ (2019年6月14日 2時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るめ
| 作成日時：2019年5月15日 1時
