My Precious 2【TH】

after 夏 05 TH ページ39

今なにしてる？というメッセージを送ると、すぐに既読になったにも関わらずしばらく返信が来なかった。Aは携帯を打つのが早くて返信もいつもポンポンと来るのに、珍しいなあと首を傾げる。


「どうしたの？」
「Aから返信が来なくて」
「…なんか、テヒョンアが彼女みたいだね」
「やー、怒られたいの？」


横でお冷をちびちび飲んでいるジミン。宿舎で暇しているのも折角の休暇が勿体ないよって、久しぶりに二人でご飯に来た。この間着たユカタが大分気に入ったみたいで、これはジニヒョンが似合ってたね〜肩幅広いからかななんて写真を見返しながら笑っている。


頼んでいた料理が運ばれて来て、美味い美味いと二人でピザを食べていた頃。ピコン、と携帯が音を立てて、ちらっと通知を見てみると、Aからだった。すぐにトーク画面を開くと、送られてきていたのは1件の写真。


「ん？」
「なに」
「いや、何か、見覚えがある」


何が、と身を乗り出してくる向かいのジミンに、Aから送られてきた写真を見せると、ジミンは何度か瞬きをしてから、これ、と口を開いた。


「ここの外じゃない？」
「は？」
「入口じゃん。俺たちここから入ってきたでしょ」



よくよく考えてみると確かにこのお店の外観だ。



「でもなんでAが…」



そこまで言って、はた、と思い出す。これ、なんか覚えがある。それは、俺たちが今いるお店の写真だからじゃなくて、この行動自体に覚えがあった。


――俺が一番最初にサプライズで日本に行った時、俺はAを驚かせる為に、何をした？



え。なに？A。どういうこと？焦って短いメッセージを幾つか送って、電話をしようと通話ボタンを押そうとした瞬間。



後ろの扉から小さなノック音が聞こえて、振り返ると、そこには。



「お邪魔します…あ、えっと、アンニョンハセヨ？」


照れたように笑う、愛しい愛しい彼女が立っていた。

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