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72 JK ページ22

「気をつけて帰ってください」



俺のことをそそくさと玄関に追いやって、安心したような顔をするAさん。俺を追い払えて一安心ってこと?なんて思うとやっぱり何故だか悔しい。



「……ありがとうごじゃいました」



一応お礼にと軽く頭を下げると、ぽい、と俺の手元に何かが飛んできた。…ビニール傘?


「絶対!捨ててください!返さなくていいから!ホテルの入口で!折って!」


日本語で何を言ってるのかはよく分からないけど、ジェスチャーを見ると、返さなくてもいいし捨ててくれってことなんだろう。






『……なにこのシール』


帰りは結局タクシーを拾った。車内の暗がりの中で、手に持ったビニール傘の持ち手を撫でると見つけた、何かよく分からないゆるキャラのシール。ちょっと気持ち悪くて笑えた。ユンギヒョンが好きそうだ。



この傘も、タオルも、チョコチップクッキーも。全部雑に渡されたけど、一つ一つにAさんの不器用な優しさで、テヒョンイヒョンを傷つけたくないという気持ち。


きっと俺に、Aさんの完全なる優しさが向けられることは無いんだろう。…そりゃ、もう二度と会わないのかもしれないけど。それを見る資格があるのはテヒョンイヒョンだけなんだなって思うと、傘を持つ手に力が入った。





『…あれ、ジョングガ?』


ホテルに到着して、部屋に入ろうとした時に聞こえたジミニヒョンの声。そういえば同じ階に部屋あったよなあと思い出す。まだ寝てなかったんだ、と驚くその顔を見ると、テヒョンイヒョンから俺とAさんのことを聞いてないってすぐに分かった。



テヒョンイヒョン、あんなに怒ってたけど、結局俺のことを信じてくれてるんだな。って思うと、すごく苦しくなった。なんで俺、ヒョンを悲しませるようなことしちゃったんだろう。


『ジョングガ、どうかした?元気ないね』
『…ジミニヒョン』
『何あったか、話す気ある?』


ジミニヒョンの言葉にゆっくり頷くと、ヒョンはなら俺の部屋来なって笑った。ヒョンの糸目を見て、なんだかちょっと安心する。



俺はビニール傘を握り直して、ジミニヒョンの部屋に入った。

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るめ(プロフ) - ジャスミンさん» ジャスミンさん、すごくすごく嬉しいコメントをありがとうございます…!テヒョンの持つふわふわしていて優しい雰囲気で幸せなお話を書きたいと思っていたのでそう言って頂けるとすごく嬉しいです^^!これからもお暇な際にぜひお付き合い下さい! (2019年10月14日 1時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
ジャスミン(プロフ) - なんかもう、ずっとずっとこのお話の2人を読んでいたいし 幸せ気持ちになるし何度も何度も読み返しました(;_;) 癒しをありがとうございます更新楽しみにしてます。るめさんの文章力、文才、表現力に乾杯(;_;) (2019年9月28日 2時) (レス) id: a2850f3adc (このIDを非表示/違反報告)
るめ(プロフ) - 千晃さん» 千晃さん、そう言って頂けてすごくすごく嬉しいです^^* まだ少しこの2人のその後のお話は続いて行きますので、よければお付き合いください!コメントありがとうございました! (2019年6月19日 20時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
千晃(プロフ) - もっとこのお話読んでたいです!!続きも楽しみにしてます!!!!! (2019年6月17日 17時) (レス) id: 541a949c76 (このIDを非表示/違反報告)
るめ(プロフ) - ねおさん» ありがとうございますーー!!そう言って頂けるのが一番の更新の励みになります!コメントありがとうございました。これからもお暇な時間に読んでやってください♪ (2019年6月14日 2時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るめ | 作成日時:2019年5月15日 1時

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