花に口づけ【JN】

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メンバーの中でもかなり慎重派で、逆に勢い良く行動するタイプの弟達からは、「ヒョンには大胆さが足りませんよ」なんてたまに馬鹿にされるような俺だけど。


『じゃあ、ソクジンさん…おやすみなさい。あの、今日は本当に、ありがとうございました』



今回はかなり大胆な行動を起こしたんじゃないかな、なんて思う。


着替えも無いって言うから、倉庫代わりに使っていた部屋から、昔着ていた練習用ジャージとTシャツを引っ張り出してきて着替えさせた。


『おやすみ。ちゃんとベッドで寝るんだよ？分かった？』
『ソ、ソクジンさんは…？』
『僕もちゃんと寝るよ。大丈夫。ほら、今日はすごく疲れたでしょ？よく寝てね』





シャワーから出てきて、そっとドアの影からリビングにいた俺を覗くAちゃん。ダボダボのTシャツとジャージパンツを見て、ああこれが良く聞く男のロマンか…。なんて思う。俺も健全な20代男性だから、そういう思考を持っていることに関しては許して欲しい。


1人になって静まりかえったリビング。俺は1人で携帯をいじって、通販サイトを眺めていた。


『うーん、どれがいいのか分かんないな。』


Aちゃんへ贈る救援物資として、とりあえずWiFiをはじめとして服やら化粧品やら何やらをぽいぽいっと注文した。


センスに関しては…俺は女の子の趣味はよく分からないから、とりあえずおすすめ順で1番上に出てきたやつを購入。



『俺も、思ったより行動派だね』


さっきまで見ず知らずだった女の子に、躊躇いもなく色んなもの買ってあげられるような人間だったんだなあと、自分で自分が意外でちょっと面白い。



『…寝たかな？』



そっと寝室を覗くと、多分俺の事を気遣ってベッドの超端っこの方で眠るAちゃんの姿が目に映った。…そんな遠慮しなくていいのにな。やっぱり日本人っぽいというか、うん。可愛らしい。



『…元気出してね』




すやすやと気持ち良さそうに眠るAちゃんの頭を1度だけゆっくりと撫でて、リビングに置かれた最高に寝心地の良いソファへ向かう。



『…ああいう子だから、何でもしてあげたくなるのかな？』



RJのぬいぐるみを倉庫から引っ張り出して、それを枕にして眠った。

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