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迷信だと言われるような病気。それにかかっていると知ったのは、18歳の誕生日を迎えてすぐだった。
ある日突然、急な吐き気に襲われた。
咳き込む度にこぼれ落ちる白い花。
混乱しながらも、携帯に急いで症状を打ち込んで検索すると、目に飛び込んで来たのは、「花吐き病」という聞いたことすらない病気の名前だった。
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「じゃあ各自好きに行動して、2時間後に集合。」
電車が2時間に一本しか来ないような田舎の病院に行って、年配の女性の先生から「花吐き病」と診断されてから数年。
「A、私先に両替して来るね」
「わかった、お店入って連絡する」
大学の夏休み、韓国語専攻のゼミ旅行で一週間韓国で過ごすことになった。そんな初日のこと。
「おすすめのご飯屋さん…」
昼食をとる場所を携帯で探していた時。後ろからぐわんと衝撃が来て、よろめいた。気づいた時には肩にかけていたバッグは無くて。
「……えっ？」
引ったくりに遭った、と理解する迄に少しの時間を要して、そこからようやく走り出した時には、私の鞄を持って行ったバイクは見えなくなっていた。
お財布もWiFiも、帰りの飛行機のチケットも、全部あそこに入っていたのに。
「ど、どうしよう…」
そうだ、友達に連絡……いや、WiFiがないから繋がらない。友達がどこの両替所に行ったのかも分からない。こんなことなら、ずっと一緒に行動しておくべきだった…！
色んな考えが頭の中を回ってパニックになり、不安と恐怖でぐちゃぐちゃになった時、ふらっと身体から力が抜けて、私はそのまま道の壁伝いに座り込んだ。
「っ、う、」
極度の緊張や不安は、私達の「病」を引き起こす。
「っ、げほっ、っ、」
喉に何かが張り付いたような、絡まったような。
そんな感覚がして咳をすれば、私の手の中に落ちてきたのは1輪の小さな花だった。
「っ、…！」
最悪だ。
どうしよう。
誰かに見られたらいけない。
そんな思いで、ふらふらになりながら人気のなさそうなトンネルの中へ重い足を運ぶ。
止まらない吐き気と、増えていく白い花。
「っ、くる、し…」
あ、これは、やばいかも。
霞み始めた視界と、更に抜けていく体の力。
このまま倒れたら、痛いんだろうなあ。頭の隅っこの方でそんなことを考えながら。
最後に1輪、花を吐き出したと同時に、私は意識を失った。
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るめ(プロフ) - ミロさん» わわ！ミロさん！コメントありがとうございます〜！化石を発掘して頂いて幸せな限りです笑 こちらこそいつも素敵なお話をありがとうございます！コメント嬉しかったです^^* (2020年6月13日 14時) (
レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
るめ(プロフ) - あやねさん» お読み頂きありがとうございます！そう言って頂けて幸せです。素敵なコメントをこちらこそありがとうございました！ (2020年6月13日 14時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - 今更のコメント申し訳ありません。癒しのそくじんさんを探していたらここにたどり着きました。こういうちょっとファンタジー要素のあるお話大好きだなー素敵だなーと思ってたらるめさんでした。さすがです。素敵なお話をありがとうございました。 (2020年4月26日 1時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
あやね - きゅんきゅんしました！とても素敵な小説で時間も忘れて読んでしまいました。ありがとうございます。お疲れ様でした！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: 7d823bc9ce (このIDを非表示/違反報告)
るめ(プロフ) - あがしおんさん» あがしおん様、コメントありがとうございます！大好きな作品の作者様にそう言って頂けて本当に幸せです。いつもお話楽しく拝読させております…！素敵なコメントありがとうございました！ (2019年9月18日 15時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るめ
| 作成日時：2019年9月14日 1時
