episode.8 ページ9
〜貴方side〜
AM6:00
結局ほとんど寝れないまま朝を迎え、俺は眠たい目を擦りながら朝食の準備にとりかかった。
今日の朝ごはんは、パンと目玉焼き、ハム、サラダ。
朝はあまり重たい物を好まない春子にあった料理を用意する。
そして、時計の針が7時に差し掛かった頃、春子は大きなアクビをしながらリビングへとやってきた。
「おはようございます春子さん」
「おはよう」
寝ぼけている春子にコーヒーを渡し、テーブルの上に朝食を綺麗に並べる。
「お前が作ったのを食べるのも久しぶりだな」
「そうですね、一応軽めの物にしておきましたけど、こんなんで大丈夫でしたか?」
「十分だよ」
席に着き、二人で食べる朝食。
そこに会話はなく、あるのは食器の音だけ。
「ルイ・・・」
突然名前を呼ばれ、俺は顔を上げる。
「そんなに日本へは行きたくないか?」
「え?」
春子の質問は俺の思考を一時的に停止させた。
「どうしたんですか?急に・・・」
「もし、お前がどうしても行きたくないと言うなら、無理に行かなくてもいい」
食べながら淡々と話す春子。
「春子さんらしく無いですね、いつもは強制的なのに」
「いや、この2年半でお前自身も変わっただろ、見た目もだが中身も、そろそろ私が出るのは辞めようと思ってな」
「また突然すぎますね」((ハハ
春子の言葉を軽く流しながら、俺は黙々と朝食を食べ進めていく。
「だからルイ、自分の意思で行くか行かないか決めろ」
俺を真っ直ぐ見る春子の目線を感じ、俺も顔を上げ春子を見る。
「どうしましょうか・・・」
「お前の中で作り上げられた完璧なまでの仮面を取って私と話せ」
「仮面?僕何も付けてませんよ?」
春子は少し怒ったように眉間にシワを寄せる。
「私は偽りのない、お前の本心を聞きたい」
でも、その目は優しく、今の俺を真っ直ぐ見てくれていることが分かる。
本心か・・・・
「僕には、どの選択が正しいのか判断がつけられません」
例え春子であっても見せられない。
もう俺は、この仮面を外せない。
外したらいけないんだ
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悠優(プロフ) - すごく面白かった!!SUPERLOVERSの作品で、こんなにいいものに出会えたのは初めてです!男主君の感情に涙が出たり……。いつもすごい、更新と結末が楽しみで待ってました。続編も書いてくださるならば沢山読みます!! (2018年5月28日 5時) (レス) id: ff0955d0d1 (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - 続編もちろん希望です!SUPERLOVERSのあの焦れったい感じの雰囲気がすごく表現されてて、ユピノンさんの小説が大好きです^ ^ これから男主くんがどうなっていくのか、楽しみに続編期待してお待ちしてます!^ ^ (2018年5月28日 3時) (レス) id: a438011908 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 続き気になります!主人公と晴の関係も気になります!なので続編希望します! (2018年5月28日 3時) (レス) id: 3196a4c901 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス(プロフ) - 凄い気になる!続編待ってます!! (2018年5月28日 1時) (レス) id: d972e9a204 (このIDを非表示/違反報告)
玉子(プロフ) - とても楽しませてもらいました!本当にこの物語が大好きで続きもきになるので続編待ってます! (2018年5月28日 0時) (レス) id: ae214f582e (このIDを非表示/違反報告)
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