【SUPERLOVERS】孤独な仮面

episode.47 ページ48

その日から、晴が始める新しい店のことで清華が家に訪れることが多くなった。









その度におきる、零との喧嘩も全員が慣れ始めた。









そんな時だった・・・









「郁！！！！」







勢いよく開かれたドアから、鬼の形相をした清華が入ってくる。









「ななななな何スか！？」

「一体何なのよ、あの長男と末っ子は！！」









巻き込まれないよう、俺は争う二人と少し距離のある場所へ腰掛ける。









「あ、ハルさんとレンレンか！！
へーえ、清華サンでもビックリなんだ・・・ぐえ！！」

「あのブラコン男、どんだけ進化してんのよ！？
今すぐ警察呼んでやる！」

「そりゃ無理ッスよ！
あの二人アレが通常モードなんだから！」

「はぁ？！
あんな兄弟愛あってたまるか！！」

「いやマジ、ホントですって！！
ね！月希！！」









まるで拾われるのを待つ子犬の様な目で俺に視線を送ってくる郁。









助けを求めているのは分かるけど・・・









「清華さんは、一体何を見たんですか？」









郁は察しがついている様だが、俺には清華が何に対してそんなに怒っているのかが分からない。









「何をって・・・
晴と、あの末っ子がキスしてる所を見たに決まってるじゃない！！」

「は？」

「何よ、その顔」









晴と零が・・・









「・・・・キス・・・？」

「そうよ
郁が知ってるくらいなんだから、アンタも知ってたでしょ？」

「あ・・・いや・・・えっと・・・」









急に苦しくなる胸。









次々に湧き上がる色々な感情。









でも、そんな中でも俺の頭には









「やっぱりな」









この言葉がハッキリと浮かんでいた。









「月希が此処に来たのも、高校の入学式の日だったから、まだ見てなかったんッスね〜」








「初めて見たら驚くッスよ！」と笑いながら言う郁









何がそんなに面白いんだ？









「まぁ、レンレンとハルさんお似合いッスからね！」

「何言ってんのよ！
血が繋がってないからって、あんなのは駄目よ！」









うるさいな、本当に









「でも、あの二人いつも一緒っスもん！」

「アンタねー！！！」









黙れ。









((ガチャンッ









脳裏に響く奇妙な音。




その音は、今まで抑え、隠してきた鎖が切れるかの様な、苦しく重たいそんな音だった。

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